今回の全日本卓球の一般シングルスには、パラ系3団体(肢体、知的、デフ)から男女1名ずつの出場枠があり、男女計6選手が出場する。大会2日目の男女一般シングルス1回戦で、3名の選手が登場した。(1回戦出場予定だった岩渕幸洋は対戦相手の棄権により、明日2回戦からの出場)
最初に登場したのは和田なつき(内田洋行)。2023年10月に行われた「杭州2022アジアパラ競技大会」クラス11(知的)で優勝し、パリパラリンピックの出場権を獲得。ここ1年で急成長を遂げている、知的・女子のホープだ。
しゃがみ込みサービス、巻き込みサービス、バックサービスと、多彩なサービスを操り、高身長を生かしたフォア攻撃が光る和田。しかし、狩野琴春(埼玉栄高)のサービスからの広角な攻撃に守勢に回る展開が多く、得意とする攻撃のパターンになかなか持ち込めなかった。
「何もできなかったです。相手のサービスが下回転に見えたのが横回転だった。判断が遅く、切り替えられなかった。
むちゃ緊張しました(笑)。私は失うものがなかったけど、会場の熱気で緊張してしまった。知的では1回崩れたら崩れたままのことが多く、『崩せたら勝ち』みたいなところがあるけど、全日本では全くそういうところがなかった。
大阪府予選は、四天王寺高やリベルテ高などが出るので、抜けるのは絶対無理で、予選には出たことはないです。出場の機会には感謝しかないです。いつか全日本で1勝したいですね(笑)。
(全日本では)皆が自分がやるべきことを分かっていて、自分のプレーができていることが凄い。私は障がい者の大会でも優勝したいですが、一般でも勝てるようになりたいです。
今年パリパラリンピックがあるので、そこで勝ち切って、その後一般でも勝てるように頑張っていきたいです」(和田)
スコアとしては完敗だったが、前向きなコメントを残した和田。今大会の経験を活かし、パリパラでの活躍に期待したい。
●女子シングルス1回戦
狩野琴春(埼玉栄高) 3、3、3 和田なつき((株)内田洋行)
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