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全日本卓球2024

熊本の社会人ペア下田・村中が明治大強豪ペアに逆転勝利。「キャロッツ菊陽」は人参農家が代表

熊本の社会人チーム「キャロッツ菊陽」所属の下田奨磨・村中善登が、男子ダブルスで快進撃を続けている。1回戦では溜大河(静岡学園高)・中谷歩夢(浜松修学舎高)という高校の強豪ペアにストレートで勝利。続く2回戦では、鶴岡東高から明治大に進んだ同期ペアである櫻井倭・高橋響生に、2ゲームを先制されながらも、会心の逆転劇を見せた。

●男子ダブルス2回戦
下田奨磨・村中善登(キャロッツ菊陽) -4、-9、9、7、2 櫻井倭・高橋響生(明治大)

破壊力のあるフォアドライブが武器の明治大ペアに対し、キャロッツペアもフットワークを活かしたパワードライブで応戦。競り合いとなったが、3ゲーム目を奪ってから流れはキャロッツペアに傾き、最終ゲームは一気に押し切った。

明治大ペアに勝利して笑顔をのぞかせたキャロッツ菊陽ペア(右が下田)

 

現在29歳の村中にとって、今大会は11年ぶりの全日本出場。鶴岡東高出身で、対戦相手は後輩にあたるが、「相手が格上なので社会人らしい泥臭さが出せた」と笑顔でコメント。

また福岡大を卒業して社会人1年目の下田は、「21年のインカレの準決勝で明治大と当たったので、相手は違うとはいえ少し意識した。3ゲーム目からふっきれて、思い切って振っていくことができた」。

「キャロッツ菊陽」は熊本市の東方にある菊陽町地区の社会人プレーヤーにより、2年前に結成されたチーム。現在13名が在籍し、特定の本拠地はないものの、それぞれの都合が合う時に数名で練習しているという。
チームの代表、前田豊さんが人参農家を営んでいることから、チーム名は「キャロッツ」とし、ユニフォームも人参カラーやロゴを採用したそうだ。

村中「下田君のおかげで11年ぶりに出場できたので、気合を入れて臨みました。限られた練習時間の中でできることをやるということを目標にしていました」

下田「社会人になって練習時間は減り、フットワークは落ちてしまった。そのぶん台上技術に力を入れています。全日本でもラリーより小技で優位に立てたと思います」

社会人プレーヤーとして、限られた練習時間の中で、地域の仲間とともに全日本を目指し、晴れ舞台で実力を出し切っている下田・村中ペア。3回戦では超中学生級の岩井田・中野(野田学園中)との対戦となるが、社会人らしい粘り強い試合を見せてくれそうだ。

ストップからフォア強打に繋げるプレーが冴えた下田・村中。鮮やかなキャロットカラーのユニフォームが東京体育館で映えた