愛媛県の株式会社フジは、2015年に卓球部を創部。そして地元開催となった23年後期大会から日本卓球リーグにも参戦。「日本リーグ参戦で気合が入っている」というフジのふたり、井上一輝・吉野彪功が、ベテランの大矢英俊・高木和卓と男子ダブルス2回戦で対戦した。レシーブから良い展開に持ち込んだフジペアが2-1とゲームをリードを奪う。しかし、終盤は大矢・高木和が相手の待ちを外す円熟のプレーで、辛くも逆転した。
●男子ダブルス2回戦
大矢英俊・高木和卓(ファースト) -3、7、-5、10、8 井上一輝・吉野彪功(フジ)
敗れた井上は「最初は先手を取って攻めて、相手ペアを下げさせたけど、だんだんとボールが返ってくるようになり、逆に自分たちにミスが出てしまった」と、試合後に悔しさをにじませた。しかし1回戦の実業団対決を制し、2回戦でも元日本代表のペアを大いに苦しめたのは健闘だ。日本リーグ2部での上位進出を目標に、このふたりの今後の活躍に期待がかかる。
またふたりには用具のこだわりについても語っていただいた。
●井上一輝
ラケット:呉尚垠(廃番)、フォア面ラバー:省キョウ(特厚)、スーパーヴェンタス(特厚)
「中学時代からキョウヒョウを使っています。流行りには乗らずに中国ラバー一筋です。『ディグニクス09C』は、日本ラバーを使っている人が変えるのには良いかもしれないけど、私のように中国ラバーから変えることは少ないでしょうね。キョウヒョウは飛ばないぶん、回転がかかったりかからなかったりと、いやらしいボールが出せる。トップ選手はカンカンと速い卓球なので、それを外すために使っています。
ラケットは5枚合板の『呉尚垠』で、廃番なので折れたら困りますね。誰か似たラケットを教えてください(笑)。中国ラバーには特殊素材系だと飛び過ぎて私には合わないので、木材合板が使いやすい。
私はバックはプッシュ系の打法をよく使うので、回転力重視ではなく、少しやわらかめの『スーパーヴェンタス』があっています」(井上)
●吉野彪功
ラケット:インナーフォース レイヤー ZLC(FL)、両面ラバー:V>15エキストラ(特厚)
「『ラクザ』シリーズなどいくつからのラバーを試しましたが、今のラバーは回転もかけられる一方で、弾道が直線的になる点が気に入って使っています。私はパワーはあまりないので、上からかちこみたいタイプ。バタフライのラバーは弧線が出て安定しますが、相手も取りやすくなってしまう。私の場合は、上から狙う直線的弾道で、相手の取りにくさを重視しています
ラケットは高校時代からずっと使い続けています。他のラケットも試したけど、インナーの弾持ちがありながら弾むので、このラケットに戻りますね。今のラケット・ラバーの組み合わせは自分に合っていて、今のところ他の用具を試そうとは思いません」(吉野)
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