全日本卓球女子シングルス準々決勝、パワーヒッター同士の対決は、華々しい両ハンドドライブの打ち合いとなった。
井絢乃(中国電力ライシス)は、長身を活かした懐の深さで死角のないラリー力を発揮したが、大藤がサービスや一撃の威力で優位に立ち、2ゲームを先取。3ゲーム目では、やや力みが見られた大藤にミスも出たため、終盤に井が追いつきジュースにもつれ込んだが、最後は大藤が打ち切った。
4ゲーム目は、井が11-2と快勝し1ゲームを取り返して、ゲームカウントは大藤3-1井。そして5ゲーム目はジュースに突入する接戦となったが、大藤がサービスからの3球目フォアドライブ、さらにフォアドライブでのレシーブエースで2連続得点を決め、自身初となる準決勝進出を果たした。
井は大藤と互角の両ハンドドライブを見せて力を出し切った。しかし2024年に急成長し、国際大会での経験を積んだ大藤は、井のパフォーマンスを上回る冷静な試合運びと多彩な技術、そしてここぞの場面でのパワーボールを見せ、見応えのある打撃戦を制した。
大藤コメント
「まずはすごく嬉しいです。頭を使って少しずつ崩していくことができました。競った場面で勝てたのは、自分の引き出しが多かったからだと思います。緊張はなく、新しいアイデアがポンポンと出てきました。攻めないといけないラバーに変えたことで威力は2倍くらいになり、攻めの中でブロックもできました」
●女子シングルス準々決勝
大藤沙月(ミキハウス)8、9、12、-2、10 井絢乃(中国電力ライシス)
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