●女子ダブルス決勝
木原美悠/長崎美柚(木下グループ) 9、ー9、9、ー4、8 佐藤瞳/橋本帆乃香(ミキハウス)
最後の最後まで、勝利の女神がどちらに微笑むか、決めかねているような一戦だった。
微笑みを投げかけたのは木原美悠/長崎美柚の「Wみゆう」ペア、女子ダブルス初優勝!
昨年度大会では準々決勝で対戦し、佐藤/橋本が3ー1で勝利したこの対戦。1ゲーム目からスコアが全く離れないシーソーゲームが続く。木原のスマッシュ、長崎のシュートドライブで決定打を狙う木原/長崎ペアに対し、佐藤/橋本は「カットだけでは勝てない」と積極的にフォアドライブでの攻撃を仕掛けていく。
1ゲーム目は11ー9で木原/長崎が奪取するが、2ゲーム目は木原/長崎の9ー6のリードから、カットペアが猛攻を仕掛ける。木原/長崎の9ー8でのタイムアウトも実らず、佐藤/橋本が5本連取で逆転し、ゲームカウント1ー1のタイに戻す。
逆に3ゲーム目は佐藤/橋本の8ー5のリードから、木原/長崎が5本連取で10ー8と逆転し、11ー9で奪う。4ゲーム目は3ー3まで競り合いながら、ここから佐藤のフォアの反撃、橋本の必殺のバックハンドなどで佐藤/橋本が6ー3、9ー4と突き放して最後は11ー4。勝負は最終ゲームへともつれ込む。
最終ゲームも主導権は目まぐるしく両ペアを行き来する。木原/長崎が4ー1でリードするが、橋本/佐藤が4ー4に追いつき、橋本のロビングへの長崎のストップが大きく弾かれ、橋本/佐藤が5ー4と逆転。そのまま8ー6まで橋本/佐藤がリードを保った。
試合後の優勝インタビューで「最後は『振り切れないかも』と思ったけど、美悠に大丈夫だと言ってもらって、やるしかないと頑張りました」と語った長崎。ここで長崎のバッククロスのシュートドライブ、木原のスマッシュが決まり、10ー8でチャンピオンシップポイント。最後は橋本のバックカットがわずかにコートをオーバーし、木原/長崎はその場にしゃがみこんで涙。そして歓喜の抱擁を交わした!
「優勝の瞬間はもう何球でも返ってくる準備をしていたので、それがオーバーミスだったので力が一瞬で抜けたというか……」。優勝会見でそう語った長崎。「本当に自分ができるすべてをかけて、1球1球打っていた。優勝した2019年のITTFワールドツアー・グランドファイナルで優勝した時以来の感覚でした」(長崎)。
一方、木原は「本当にこの数年間、決勝にたどり着くまでなかなかいけなくて、やっと今回初めて決勝の舞台に立てた。佐藤選手と橋本選手のペアに去年負けているので、少し怖い部分もあったんですけど、決勝の舞台なので『やるしかない』というふたりの強い気持ちで、最後は勝てたんじゃないかと思います」とコメントした。
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