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全日本卓球2025

パリパラ代表・舟山真弘が、パラ系出場枠選手として全日本初勝利!

パラ系3団体(肢体不自由、知的障がい、デフ)の男女1名ずつが、昨年度より全日本卓球一般シングルスに出場枠を得ており、6名全員が今大会初日に出場した。その中で、男子シングルス2回戦から出場した舟山真弘(早稲田大)が、伊佐真旺(琉球レオフォルテ)に3−1で勝利し、パラ系枠からの出場選手として全日本初勝利という快挙を成し遂げた。

肢体不自由で最も程度の軽いクラス10に認定されている舟山は、早稲田大では健常の選手とともに練習し、関東学生リーグでは団体戦メンバーとしても活躍している。自身にとって初出場となった全日本でも、得意のフットワークを生かしたフォアドライブを連発し、持ち味を十分に発揮しての快勝となり、爽やかな笑顔を見せた。

練習量を増やしたというバックでチャンスメイクし、得意のフォアドライブで決めるプレーに磨きがかかっている舟山

「素直に嬉しいです。パリパラ後は学生の大会でも1回戦負けが続き、久しぶりに公式戦で勝つことができましたし、全日本という特別な大会で勝てたことが本当に嬉しいです。昨年から推薦枠ができ、昨年出場した岩渕幸洋さんも、『パラも強い』という思いの中で、『1回は勝ちたい』と強く願っていたと思います。今年は自分がその勝利を手にできて良かったです。
パリパラ後は、少し燃え尽きた感もあり、自分が思っていた以上に大きな大会だったと実感しました。といっても、それも2、3日だけでしたが(笑)。これまで『練習したくない』と思ったことはありませんでしたが、パリパラ後はバックの強化に取り組んできました。
予選を勝ち上がってきた選手が出場するこの大会で勝てたことは証明になりましたが、まだまだできることを皆さんにお見せできればと思います」(舟山)

また、知的障がい枠で全日本一般に初出場した東京パラ銅メダリストの伊藤槙紀(CTCひなり㈱)と、肢体不自由枠で初出場の三浦稟々(日本大学高)は、それぞれ勝利こそならなかったものの、1ゲームを奪い善戦を見せた。そしてデフ(ろうあ者卓球協会)枠出場の山田萌心(明誠高)は、カットの強豪・永野萌衣(愛知工業大)にストレートで敗れたが、11月のデフリンピックと同じ東京体育館での経験を生かし、デフリンピックでの金メダルを目指す。

 

●男子シングルス2回戦
舟山真弘(早稲田大) 9、-5、8、10 伊佐真旺(琉球レオフォルテ)
●女子シングルス1回戦
櫛引一葉(富士大) 4、-7、7、7 伊藤槙紀(CTCひなり株式会社)
大川千尋(百十四銀行) 4、-8、4、2 三浦稟々(日本大学高)
永野萌衣(愛知工業大) 5、4、1 山田萌心(明誠高)

バック粒高でほぼ全面をカバーする伊藤。長短の変化もつけた巧みな攻守を見せた

将来のパラリンピアンとして期待がかかる三浦

デフ大会では使用できない補聴器を付けてプレーした山田。ていねいなカット打ちを見せた

 

★男女シングルス記録

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