卓球王国 2025年1月21日 発売
バックナンバー 定期購読のお申し込み
全日本卓球2025

2連覇へ、張本智和は「勝ち方」にもこだわる。ベンチに頼れる先輩を迎え、死角なしか?

●男子シングルス4回戦
張本智和(智和企画) 3、9、5、−7、9 坪井勇磨(FPC)

男子シングルス4回戦、左腕の坪井を4−1で下した張本智和。今シーズン、ドイツ・ブンデスリーガ男子1部のバート・ホンブルグでプレーし、プレーがスケールアップした坪井は2回戦で渡辺(協和キリン)、3回戦で谷本(育英高)と当たる厳しい組み合わせを勝ち上がってきたが、張本の攻守にはまだ余裕があった。

試合後の記者会見で、「思ったより良い出足から入れたんですけど、4ゲーム目にリードした時に少し気が抜けてしまったところがあって、相手につかまえられてしまった。でも最初の3ゲーム目はすごく良かったです」と語った張本。今年に入ってからWTTスターコンテンダー ドーハとWTTコンテンダー マスカットを転戦して帰国し、連戦の疲労は完全には抜けていない様子だったが、表情はリラックスしていた。全日本での王座返り咲きを目指していた昨年度大会とは違う。

スーパーシードの選手には難しい戦いとなる4回戦だが、張本のプレーは落ち着いていた

坪井戦を振り返り、張本はこう語っている。「1ゲーム目はお互いに様子を見ていた。2ゲーム目、3ゲーム目とぼくも会場の雰囲気に慣れて、良い攻撃力を発揮できたと思うけど、4ゲーム目や5ゲーム目ではゲームを落としたり、最後の緊迫した場面では入れにいってしまった。入れにいって勝ててしまったとしても、今後に悪影響を及ぼすかもしれない。明日以降はより競った場面でも、勝ったとしても納得がいく形で優勝につながる試合をしたい」。
ただ勝てばいい、というものではない。トーナメントを最後まで勝ち切るため、チャンピオンは初戦から勝ち方にもこだわる姿勢を見せた。

パリ五輪というビッグゲームが終わり、また2028年ロサンゼルス五輪に向けた戦いが始まる。「ここからロス五輪への再スタートなので、今年・来年・再来年、3年、4年と連続ですべて取ってロスに臨みたいし、今大会はそのための第一歩」と張本は語る。「絶対王朝」を打ち立てるべく、優勝目指して明日も一戦必勝の姿勢で臨む。

要所で見せるフォアのパワードライブはワールドクラス。強化しているフォアフリックも威力を発揮

また、坪井戦では張本のベンチに、昨年まで男子ダブルスで3年連続でペアを組んだ森薗政崇が入った。全日本で単複とも上位常連だった森薗だが、今大会は全日本予選にエントリーしなかったため、大会には出場せず。「公私共にすごく仲の良い選手なので、普段練習しているタイミングで『今年はベンチをお願いできないですか』と話をして、快く引き受けてもらった」(張本)。初めてのベンチのフィーリングとしては、普段の練習の延長線上のような感覚で、試合でもリラックスしてプレーできるという。「普段から卓球の話をしやすい関係だし、フランクに話ができる」という頼れる先輩をベンチに迎え、リスタートの全日本選手権を突っ走る構えだ。

頼れる兄貴分・森薗政崇をベンチに迎え、2連覇に挑む

関連する記事