本日行われた男子シングルスに、昨年まで愛工大名電で活躍した濱田一輝(現・早稲田大)の弟・尚人が登場。今大会の初戦となった試合で松山時央(近江兄弟社)に勝利し、明日の3回戦に進んだ。
尚人の祖母・美穂さんは1973年世界選手権女子ダブルス優勝で、祖父・慎吾さん(旧姓・阿部)は元全日学3位。父の裕和さん(旧姓・村上)は1992年度全日本ジュニアチャンピオンで、母の華奈子さんとの混合ダブルスで1997年全日本準優勝に輝いている。兄の一輝も全日本カデット、全日本ジュニアで優勝を果たしており、濱田家は日本卓球界における名家のひとつだ。
一輝が中学の途中から県外の学校へ進む中、尚人は「自分は文武両道で、県内の学校で頑張りたいと思った」と高知県立高知小津高校に進学。高知小津は高知で最も古い歴史を持つ進学校で、かつては卓球部も全国区の名選手を輩出してきた。普段は高知小津での練習後に、美穂さんが校長、裕和さんが監督を務める土佐女子、慎吾さんが監督として指揮する高知工科大の練習に参加。高知大会では「県内に明徳さんがいるから自分も頑張れるし、強くなれる」と語る、強者揃いの明徳義塾勢4人に勝利してシングルス優勝を果たした。
尚人は右シェーク裏裏だが、フォア・バックともにドライブだけでなくスマッシュ、ミート打ちも多用するスタイル。これについては「今だとなかなかスマッシュを打つ選手がいないので、それができたら相手もいやなんじゃないかと思っています。両親と祖父母のアドバイスもあって、小さい頃からこのスタイルです」と一家で作り上げてきたスタイルだという。
新型コロナウイルスの影響で全国大会が中止になったこともあり「調子は良かったけど、全国大会に出るのが中学2年の全中以来だったので緊張しました」と語ったが、今日の試合では1、2ゲーム目を競り合いながら奪うと、3ゲーム目は本来のプレーが炸裂。快勝といえる内容で初戦を突破した。
今大会での目標について聞くと「まずはベスト32まで勝ち上がって徳田さん(幹太/野田学園)と戦いたい。そこからベスト8も狙えたら」とコメント。一輝とはそんなに連絡は取らないというが「高知大会で優勝した時は『おめでとう』と連絡をくれました。でも、それからは連絡はとってないですね(笑)」とのこと。兄とは違ったアプローチで全国に挑む、濱田家次男・尚人のインターハイ。なかなか連絡をくれない一輝もきっと、その戦いぶりに注目しているはずだ。
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