インターハイの男子シングルス1・2回戦からコルクグリップの日本式ペンをピックアップする、「頑張れペンホルダー」企画。ちなみに8月発売の10月号では、今乗りに乗っている松下大星(クローバー歯科カスピッズ)の技術企画もスタート。担当の編集部タロー、気合い入ってます。
……話が脇道に逸れました。松下大星モデルと同様、反転式ペンホルダーの裏面のグリップを外し、裏面打法で角度を出しやすくしているのが東海大菅生3年の笠井埜衣(かさい・のい)の使用ラケット。ラケットは木材5枚にメリオレートカーボンを2枚使用し、ラージボール用に開発されたヨーラの『ヨーラ アルデンテカーボン エルビー ローター式ペン角丸型』(長いです)。このラケット、知る人ぞ知る隠れた名作だ。
両面に貼るラバーは、こちらも粘着テンションの名作『ゴールデンタンゴ』(ヨーラ)。両面とも特厚で、しかも裏面のグリップは外しているので、重心は相当先端寄りになる。
「重量は全体で176グラムくらい。重心の関係で、ラケットのヘッドが落ちてしまう部分はありますが、この重心なども考えたうえで小さい頃からフォームをつくってきているので、今は重さはそんなに気にならないですね」(笠井)
小学1年生の終わり頃に卓球をはじめた笠井。最初は左のシェークだったが、卓球をしていた父親の提案でペンホルダーに転向。これがうまくハマって、今や堂々のインターハイ選手。男子シングルスでも2回戦を突破し、明日の3回戦へと勝ち進んだ。「ペンは手首の可動域が広いのでサービス・レシーブでは優位に立てるし、シェークにも全く劣っていないと自分では思っています」(笠井)。
「ペンホルダーに変えて、最初に試したのは中国式ペンでしたし、会場でもペンは中国式ペンが多いですけど、個人的には日ペンのほうが好き」と言う笠井。コルクグリップにキラリと光るスターは、映画『ピンポン』の影響とか。左腕からキレのあるフォアドライブを連発する姿は、まさに「ヒーロー」。明日の男子シングルス3回戦でも快進撃を見せるか?
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