今大会の男子学校対抗で唯一の初出場校、広島の呉青山(あおやま)が1回戦で高取国際(奈良)を破り、初出場で初戦突破を果たし、2回戦に進出した。
メンバーは全員が地元・広島出身。レギュラーは全員が1年生という初々しいチームだが、6月の中国大会では準々決勝で関西(岡山)を3−2で破って3位入賞と躍進している。
しかし、初出場のインターハイでの初戦のプレッシャーは想像以上だった。前半を終えて2−0とリードした高取国際戦では、ダブルスでもゲームカウント2−0として3ゲーム目にマッチポイントを握りながら逆転され、そのまま2ー3で逆転負け。「選手たちが思った以上に硬くて、インターハイという大舞台での初出場の重圧を経験させてもらえたのは大きかった」とベンチに入った木下裕介監督。それでも3−1で押し切り、記念すべき初勝利を挙げた。
続く2回戦の対戦相手は、第2シードの野田学園(山口)。中国大会でも準決勝で対戦し、0−3で敗れている。今回の対戦でも前半を終えて0−2とリードを許したが、烏田東/有川綜馬のダブルスが1ゲームを奪取。左腕・烏田のコースの読みにくい両ハンドドライブ、有川のしゃがみ込みサービスとキレのあるフォアドライブで野田学園ペアに迫ったが、惜しくも勝利はならず。
広島県大会3冠のエース烏田は、学校対抗を戦い終えて「初出場で勝てないかと思っていたんですけど、1回戦で勝つことができてうれしかった」とコメント。昨夏の全中でもシングルスベスト32に入る活躍を見せているが、「インターハイは全中よりもっと緊張する場所だった」という。「ダブルスでは野田学園戦で良い試合ができたので、その調子で頑張りたい。シングルスも初出場ですけど頑張ります」(烏田)。
木下監督は「主力の子たちが1年生だし、2年生も含めてまだまだこれからが楽しみ」と先を見据える。「野田学園戦は選手たち自身が一番勉強になったと思うし、素晴らしい選手たちを育てている橋津(文彦)先生のように、私も技術や指導をもっと勉強して良い選手を育てたい。選手の力を引き出せていない部分も大いにあると感じています」。94年全日本ホープス優勝、95年全日本カデット13歳以下優勝の実績を持つ木下監督を超える「広島のスター」が現れるか?
「どの舞台でも、忘れ物をしたところには必ず取りに帰らないといけない。今大会でもたくさんの忘れ物がある団体戦だったので、いろいろなものを取りに帰りたい。来年も必ず帰ってきたいと思います」(木下監督)。呉青山高校のチャレンジは、まだ始まったばかりだ。
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