男子学校対抗に続き、インターハイ男子シングルスの展望。シングルスも学校対抗と同じく愛工大名電勢と野田学園勢が優勝争いをリード。第1~8シードのうち、両校の選手が7枠を占めた。
優勝に最も近い位置にいるのは、全日本ジュニア王者の吉山僚一(愛工大名電)か。全日本では一般でも前年王者の及川瑞基(木下グループ)らを破り、高校2年生にしてベスト8に進出。プレーの高い精度と威力ある両ハンドに加え、クレバーな試合運びで初優勝を狙う。吉山は昨年のインターハイでも決勝に進出したが、先輩の谷垣佑真(現・愛工大名電)に敗れて2位。最後のインターハイで有終の美を飾りたい。
その吉山と小学生時代からライバル関係にある鈴木颯(愛工大名電)も負けてはいられない。オールラウンドかつ冷静なプレーで全日本ジュニアでは2年続けて表彰台に上がった。中学3年の全中決勝、昨年のインターハイ準決勝、今年の全日本ジュニア準決勝とビッグゲームでは度々吉山に敗れているが、こちらも最後のインターハイにかける気持ちは強いはずだ。
名電勢では昨年の全中2位・坂井雄飛と昨年のインハイベスト8の萩原啓至らも上位候補。名電からは8名がシングルスに出場するが、ノーシードの選手たちも実力は高い。
野田学園からは飯村悠太、三木隼、芝拓人、徳田幹太の4名がシングルスに出場。そのうち、三木が第4シード、飯村が第6シード、徳田が第8シードに入った。勝ち上がっていくと準決勝をかけて名電勢と対戦する可能性が高いが、持ち前の破壊力で戸上隼輔(現・明治大)以来のシングルス優勝をつかめるか。
第2シードは昨年3位の高橋航太郎(実践学園)。全日本ジュニアは棄権となるなど、昨年のインハイ以降は目立った成績を残せていないが、こちらも最後のインハイで爆発に期待。
また、強豪校の選手たちも上位を虎視眈々とうかがう。静岡学園の溜大河は東海大会シングルスで山岸馨、萩原、坂井と名電勢に3連勝して優勝と力をつけている。前出陸杜(高田)は学校対抗出場を逃しており、シングルスにかける気持ちは強い。
インハイ男子シングルスは2015年大会で青森山田・三部航平(現・シチズン時計)が優勝して以降、愛工大名電・木造勇人(現・個人)、野田学園・戸上隼輔がそれぞれ2連覇、中止となった2020年大会を挟み、昨年は愛工大名電・谷垣佑真と名電と野田でタイトルを奪い合う状況が続く。2強に割って入り、インハイ王者の称号をつかみ取る選手は現れるのか。
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