地元・愛媛から済美と宇和島東の2校が出場した女子学校対抗。まさに地元、会場のほど近くにある宇和島東高が女子学校対抗1回戦で富山商業を3ー1で破り、殊勲の1勝を挙げた。両校の学校対抗での結果は下記のとおり。
●女子学校対抗1回戦
〈宇和島東 3ー1 富山商業〉
○中川彩実 6、8、ー7、ー11、3 池崎円香
水野琴音 ー9、ー4、ー7 瓜生桃音○
○浅井暦/中川彩実 11、11、8 池崎円香/山田恵美
○浅井暦 2、ー8、7、7 瀬戸萌衣冴
●2回戦
〈鎮西学院 3ー0 済美〉
○佐原のどか ー8、4、6、ー9、7 大森もえ
○徳村優衣 9、4、ー9、9 山藤結夢
○山本鈴華/佐原のどか 8、ー8、8、5 大森もえ/井上美来
〈富田 3ー0 宇和島東〉
○村松愛菜 3、5、2 藤岡美樹
○冨田愛 6、7、ー4、3 浅井暦
○浦部佳苗/村松愛菜 7、7、4 浅井暦/中川彩実
1回戦で富山商業と対戦した宇和島東は、トップで右シェークバック表の中川が、ゲームカウント2−0のリードからゲームオールまで追いつかれながらも、冷静なプレーを貫いて3ー2で勝利。ダブルスでも勝利をおさめると、4番で頼れるキャプテン・浅井がチームに勝利をもたらした。2台進行の5番で富山商業が先に勝利し、勝敗を決する一戦となったが、序盤でフォアドライブのミスが多いと見るや、バック対バックでの勝負に切り替えた戦術眼は見事。
今大会が39年ぶり3回目という、久々の大舞台となった宇和島東だが、選手たちは冷静かつ積極的なプレーを貫いた。実は宇和島東の選手たちは、大会前半の男子種目では各試合の審判を務め、男子学校対抗決勝でも審判やスタッフとして、同じフロアで緊張感を味わった。
「昼間ここで審判をして、17時に学校に戻ってから練習というのをこの1週間繰り返してきた。この場の雰囲気、緊張感というのは味わっているので、この緊張した場面でもしっかりやれたのかなと思います」(正木監督)。
定時制もある公立校で、平日の規定練習は17〜19時の2時間。今大会、裏方としても大会を支えている正木監督が市役所の出向教員となり、平日の練習はほとんど見られない中、選手たちは自主的に練習に励んできた。「選手たちは朝練習や夜の居残り練習で、キャプテンの浅井を中心に自分たちで考えながら腕を磨いてきた。いつのぞいても黙々と、厳しい練習をこなしていました。そうして培った自主性や主体性で、苦しいときでもしっかり考えてプレーできたと思います」(正木監督)。2回戦では富田に力及ばず、3ー0で敗れたが、確かな存在感を示す戦いだった。
一方、ベスト16の常連校である済美は2回戦から登場。エース大森をトップに配し、前半でリードを奪う展開を狙ったが、その大森が佐原にゲームオールで敗れるなど、前半でよもやの2失点。ダブルスは互角の展開だったが、中盤でリードした3ゲーム目を逆転で落としたのが痛く、ストレートでの敗戦を喫した。2台進行の4番で先に勝利していた2年生の武田らを中心に、来年は巻き返しを図りたい。
「あと1本が取れなかったというのが、練習であと少し詰めきれなかったところかなと。指導者としてすごく不甲斐なさを感じています。思った以上に相手チームの選手がラリー戦に強く、こちらが思った以上に1本多く返してきた。
今回は観客席には各チームの部員しかいない状態で、地元開催だからどうこうというのもあまりなかったし、場所的なことはあまり考えずにやってきたけど、いろいろな人に力を貸していただいたのに、結果として還元できなかったのが申し訳ない気持ちでいっぱいですね」(済美・木塚健一監督)
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