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インターハイ2022

進徳女子、9度目挑戦で初の準決勝進出。中島監督が語った「作馬さんへの恩返し」

 今年3月の高校選抜で初の全国での表彰台となる3位入賞を果たした進徳女子。第3シードとして臨んだ今大会、インターハイで初のメダルを確定させた。

 

●女子学校対抗準々決勝

〈進徳女子 3-2 明誠〉

 小野 -4、-5、-3 山﨑○

○東川 5、9、-9、6 竹山

 東川/工藤 -7、13、-8、-4 山﨑/直江○

○工藤 7、4、5 木山

○藤原 9、9、-7、-9、7 直江

熱戦の末、明誠を破って準決勝進出

中島監督が「いぶし銀」と評した藤原がラストを締めた

 

進徳女子はこれまでインターハイ学校対抗ではベスト16が最高成績。今日の3回戦では初出場で2勝をあげて勢いに乗る敦賀を相手に3-0で勝利し、初の準々決勝進出を決める。続く準々決勝の相手は同じくインターハイで初のメダルを狙う明誠。5番最終ゲームまでもつれる大熱戦を制し、初のベスト8から一気に表彰台を確定させた。2013年のインターハイ学校対抗初出場から9度目の挑戦で壁を破った進徳女子・中島健太監督は「ようやくですね」と準々決勝後に語った。

 「(準々決勝は)進徳らしい、我慢のプレーが出せたと思います。進徳魂を見せてくれました。オーダーも悪くなかったし、計算どおり。ここまで全体的に、各々が最低限やることはできていると感じています。

 インターハイは今回が9回目の出場ですが、ようやくですね。今までも虎視淡々と(表彰台を)狙っていたけど、なかなか届かなかった。学校と保護者のサポートがあって、そうした方々と選手、私の家族、みんなの我慢の結果だと思います。ゼロから始まって、1年1年積み重ねてここまで来ました」

進徳女子を率いる中島監督

 

 中島監督の考える今年の進徳女子の強みは多様性。今日の試合に出場した東川陽菜は右シェークバック表速攻型、小野蒼彩は右ペン両面裏ソフトドライブ型、藤原優と工藤真桜は右シェーク両面裏ソフトドライブ型だが、回転をしっかりかける藤原とスマッシュも駆使する工藤でタイプが異なる。ベンチ入りのメンバーを見ても左シェークフォア表速攻型、カットマンなど、バリエーション豊かな戦型が揃い、「そうした部分は強みかなと思っています」と語る。

 初の準決勝、対戦相手は昨年のインターハイ、今春の選抜で準優勝の明徳義塾。この難関を突破し、「決勝で四天王寺さんと試合をしたい」と中島監督は口にしたが、そこには現在、進徳女子の強化に携わる作馬六郎氏への感謝がある。作馬氏はかつて四天王寺を指導し、多数のインターハイチャンピオンを輩出。その作馬氏に、インターハイ決勝での四天王寺との対戦を見せたいと語る。

 

 「もちろん、決勝の前に準決勝があるわけで、あまくないのもわかっていますが、しっかり準備して戦いたい。四天王寺さんとやることが、作馬さんへの恩返しかなと思っています」

 

 明日は学校対抗の試合は行われず、明後日8月7日に準決勝・決勝が行われる。「恩返し」に向けて、進徳女子はどんな試合を見せてくれるのか。

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