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全日本卓球2024

張本美和が圧巻の強さで横井咲桜を退け決勝進出。女子の史上最年少優勝をかけ早田に挑む

●女子シングルス準決勝
張本美和(木下アカデミー) 5、6、6、7 横井 咲桜(ミキハウス)

全日本卓球2024最終日の初戦、女子シングルス準決勝で、張本美和(木下アカデミー)が横井咲桜(ミキハウス)をストレートで下して、初の決勝進出を果たした。

橋本帆乃香(ミキハウス)のカット&攻撃には苦戦したものの、準々決勝では木原美悠(木下グループ)にストレート勝利した張本。対する横井は、準々決勝では好調の木村香純(トップおとめピンポンズ名古屋)とのハイレベルなドライブ戦を繰り広げ、1-3ビハインドから逆転。国内屈指の強打者対決は、激しい打撃戦も予想されたが、予想以上の張本の圧勝に終わった。

常に冷静なプレーを見せた張本。まだ余裕があるのでは、とすら感じさせる戦いぶり

1ゲーム目、ミドルからバックのラリーを中心に展開されたが、先にミスが出るのは横井。2・3ゲーム目も張本は出だしで4本連取と優位に試合を展開。横井はレシーブに苦しみ、リスクをおかした攻撃で追い上げを試みるも、ラリーに入ると張本が余裕をもって打ち合いを制す。

ラリー戦には強い横井(奥)だが、張本の前に主導権を握れず

スロースターターで逆転勝利の多い横井。4ゲーム目は3-1、7-6と初めてポイントをリードしたが、そこから張本が5本連取。マッチポイントではYGサービスでエース。初の決勝進出を決めた張本は、会心の勝利に拳を握った。

横井が持ち上げて張本に上から狙われるケースは多かったが、張本は初球の威力が高く、五分以上からラリーを始められる。そして打ち合いでは威力と安定性にまさる張本が上回った。

また張本は常に余裕を持って8割程度の力で打球しているように見えた。体格を生かしつつ、ミドルを含めてどのコースに対してもスムーズでキレのあるスイングを見せ、パワーで圧倒した。

立ち位置を変えるサービスやミドル攻め、チキータなどの工夫をしつつ、全力で両ハンドを叩き込んだ横井だが、張本のサービスに終始苦しみ、総合力の高い張本に対して勝機を見いだせなかった。

●横井咲桜・準決勝後のコメント

「私にはパワーがあるので相手は打たせないようにしてくると思っていたので、ゆるいボールを出して相手に打たせないような展開をしようとしていたけど、相手の作戦にはまり、自分の良い流れで試合ができませんでした。

序盤は自分が打たされていて、その後のカウンターがとても早くて対応できなかったし、質が高かった。前よりも打点も早いし、ボールの威力も増していて、正直びっくりしました。

0-3で後あとのない状態になり、4ゲーム目は思い切りやり、ボールにも慣れてきていた。手応えはありました。

パリ五輪の選考会で、トップ選手とたくさん試合をする機会が増えて、少し勝てたので自分も通用するんだと感じたので、これからもっとトップ選手に勝っていきたいです」

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