●男子シングルス1回戦
佐藤卓斗(法政大) 7、8、5 齋藤元(秋田市役所)
今やフロアでもほとんど目にすることがなくなった、日本式ペンホルダーの選手を男子シングルス1回戦で発見!
秋田市役所から出場の齋藤元は、日本式ペンのフォア面に裏ソフトを貼るペンドライブ型。裏面は貼らず、フォア片面だけの一本勝負。ラリー戦には抜群に強い佐藤(法政大)に対し、バックのショートとプッシュ、サービスからの3球目攻撃で対抗した。
「小学3年生で卓球を始めて、最初の1カ月はシェークだったんですけど、バックがどうもうまく振れなくて、父兄の方に借りた日本式ペンがすごくしっくり来たんです。裏面を貼ったりした時期もあるけれど、それよりショートやプッシュのほうが自分には合っていた」(齋藤)。
バックハンドが振りやすいシェークより、ペンのショートのほうがバック系技術がしっくり来たという齋藤。まさに感性は人それぞれ。そして、その日本式ペンで全日本の一般に今回で3回目の出場を果たした。並の努力ではないだろう。
「佐藤選手には、上回転のラリーでは絶対かなわないというのはわかっていたので、サービスやレシーブで台上をうまく使いながら攻めていければと思っていた。ある程度形は作れましたけど、やっぱりボールが返ってくるし、コートを広く使われて、大きいラリーではなかなか点が取れなかったですね。
バック技術はプッシュは結構自信があるんですけど、そればかりだとタイミングが合ってくるので、横回転ショートを入れたり、コースをなるべく散らすことを心がけています」(齋藤)
齋藤が使う桧単板ラケットは、秋田商業高の先輩で現在はプロコーチとして活動する石塚航平から高校時代に譲り受けたもの。石塚も貴重な日本式ペンドライブ型として、全日本の男子シングルスで存在感を放ったプレーヤーだ。まさに秋田に日ペンの伝統あり。フォア面にはミート打ちのやりやすさを考え、テナジー05の「厚」を貼る。
今大会は男子ダブルスにも出場する齋藤は、ダブルスで全日本1勝を目指す。また、齋藤のベンチに入ったこちらも秋田商業高の先輩、実業団のシチズン時計でもプレーした加藤悠二は、男子シングルスで見事に3回戦進出を決めている。
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