●女子シングルス準々決勝
伊藤美誠(スターツ) -8、7、5、-6、-7、10、6 平野美宇(木下グループ)
伊藤美誠対平野美宇、同級生であり、東京五輪ではともにメダルを獲得したチームメイトとして戦った二人が激突した一戦。
第1ゲームは平野が11−8で先取。第2、第3ゲームは、平野の繋いだボールを伊藤が狙い打ちする展開となり、伊藤が連取した。伊藤は打ち合いを避け、細かなプレーで平野のストライクゾーンを外し、甘くなったボールをスマッシュで仕留める戦術を徹底した。
第4ゲームから平野は、あえて打球点を落とした回転量の多いループドライブを多用し、伊藤のタイミングを外して主導権を握る。これにより平野は第4、第5ゲームを連取し、試合の流れを引き戻した。
第6ゲームでは平野が10−8とマッチポイントを握る。しかし、ここから伊藤が粘りを見せてジュースに持ち込み、10−10からサービスエースを決めると、続けてフォアハンドのカウンターでポイントを奪い、試合は最終ゲームへ。
最終の第7ゲーム、序盤から伊藤が4−0とリードを奪う。「最終ゲームをリードできたのが良かった」と語る伊藤は、そのまま主導権を握り、11−6で勝利。準決勝進出を決め、最終日へと勝ち残った。
■伊藤美誠のコメント「準々決勝で勝って最終日に残るという意味では、今回が一番嬉しい勝利かもしれません」
「第1ゲームから接戦でしたが、最終ゲームの序盤でリードを奪えたのが良かったです。一番嬉しい形で最終日を迎えられて、とても嬉しい勝利です。WTTや世界ランキングで競っている選手に勝てたことが、特に自信になりました。平野選手のボールの質が高くてオーバーミスもしましたが、最後はしっかりと台に収めることができました。準々決勝でも決勝のつもりで臨みました。平野選手とは接戦になると分かってコートに入りましたが、最後は相手を見ながら、自分らしく爆発することができました。
初戦の接戦を乗り越えることで気づきがあり、そのおかげで2日目以降は自分らしい試合ができています。サービスも3球目攻撃も最後まで冴えていましたし、思い切りの良さもありました。レシーブも冷静に対応できたと思います。今日は速いラリーや長いラリーが1ゲームに1~2本くらいしかありませんでしたが、それをしっかりものにできたことが、流れを変えるきっかけになりました。我慢の試合でした。
これまでの全日本選手権の中で、決勝での勝利はもちろん嬉しいですが、準々決勝で勝って最終日に残るという意味では、今回が一番嬉しい勝利かもしれません。
明日の対戦相手である張本選手は、成長スピードが早く、今もっとも伸びている選手です。完全なチャレンジャーとして試合に臨みたいと思います。今は嬉しい気持ちで明日を迎えられるのが何よりです」
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