昨年11月の全日本マスターズ・サーティでベスト8に入ったペンドライブ型、藤田恵大が男子シングルス1回戦に登場。対戦相手は、昨年4月に愛工大名電高を卒業したばかりの山岸馨。柔らかいボールタッチの台上プレー、正確なフォアドライブと裏面ドライブのコンビネーションで対抗した藤田だが、「普段やっているボールとは違う。ついていくのがやっとでした」と試合後のコメント。3ゲーム目は競り合うも、惜しくも0−3で敗れた。
栃木・作新学院高から大正大に進み、全日本の一般にもすでに「8〜9回くらいは出ている」という藤田。大学卒業後、一度は卓球から離れて就職するも、「どうしても自分の中でモヤモヤしている部分があった」という。「人生一度きりだから」と卓球のプロコーチとして再出発し、卓球場につけた名前は『restart藤田卓球教室』。「restart(リスタート)」、とても良い言葉だなと思う。
「今は卓球教室にたまに知り合いが参加してくれた時、そこで10分とか20分くらいは練習できるかな、という感じです。イキの良いボールを受ける機会はほぼない。今日のボールは、この1年で初めて受けるレベルでした(笑)」(藤田)
今でもF.ルブランなどのプレーを見て、「すごいとしか言いようがない」「どうやって打っているんだ」と驚嘆しながらも、日々研究を怠らない藤田。指導者としてもペンの選手を育てたいという思いはあるが、ペンは運動神経なども必要になるため、なかなか難しい部分もある。
全日本での戦いを終え、「まだまだ実力が足らないですし、またリスタートですね」と笑顔を見せた藤田。今年のマスターズでもサーティに推薦出場できるが、卓球教室の生徒さん、そして世のペンドライブ型を勇気づけるためにも、チャンスあるかぎりは一般へのチャレンジを続けてほしい。
●男子シングルス1回戦
山岸馨(トヨタ自動車) 5、7、9 藤田恵大(restart)
ツイート