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全日本卓球2025

【全日本女子シングルス展望】故障から復帰の早田ひなは3連覇なるか。張本美和は最年少Vに挑む

 1月21日から東京・東京体育館で開催される、天皇杯・皇后杯 2025年全日本選手権(一般・ジュニアの部)。卓球王国WEBでは今年も現地から速報をお届けしていくが、開幕に先駆けて各種目の戦況を予想していく。昨日のジュニア男女に続いて、女子シングルス。

世界でも屈指のレベルの高さと層の厚さを誇る日本女子。今大会の女子シングルスもハイレベルな戦いとなることは間違いない。

 

【Aブロック】

 第1シードは前回大会で2連覇を達成した早田ひな。6試合を戦い、1ゲームを落としたのみという堂々たる戦いぶりで王座を守った。昨年のパリ五輪でも女子シングルスを銅メダルを獲得したが、左腕を傷めて五輪以降は大会を欠場。11月のWTTファイナルズで復帰するも初戦敗退、Tリーグでもなかなか勝利をあげられずにいた。

 しかし、1月6~11日に開催されたWTTスターコンテンダー ドーハでは横井咲桜をストレートで破るなど復調の気配を見せている。全日本の舞台で、五輪メダリストの実力を披露することはできるか。

早田ひな

 早田と同じAブロックには木原美悠もドローされた。木原は毎年コンスタントに上位に進出しており、準優勝も2回。早田の牙城を崩して、初優勝へ突き進みたいところだろう。

 その他、全日学2連覇の出澤杏佳、前回大会で早田を苦しめた芝田沙季、Tリーグで好成績を残す笹尾明日香、一昨年の全日本社会人女王・三村優果らもこのAブロックに入った。

木原美悠

出澤杏佳

芝田沙季

笹尾明日香

 

【Bブロック】

 今大会、注目を集めそうなのが前回大会で2年連続の3位となっている横井咲桜のBブロック。この1年で目覚ましい活躍を見せ、世界ランキングを7位まで上げた大藤沙月がドローされた。

 横井と大藤は中学・高校から現在まで同じチームでプレーする同期。ダブルスでも活躍を見せているが、2人が順当に勝ち上がると表彰台をかけて準々決勝で対戦することとなった。

 1月11~17日のWTTコンテンダー マスカットでも横井と大藤が対戦し、大藤が3-0で勝利。本人たちには少々酷な組み合わせとなったが、もし対戦が実現すれば注目の一戦となるだろう。

横井咲桜

大藤沙月

 長﨑美柚も横井、大藤にストップをかけたいところ。これまではベスト8で足踏みが続いているが、今大会でひとつ壁を破りたい。インターハイ女王の竹谷美涼は昨年6月のアジア選手権選考会で長﨑に勝利しており、一般でも活躍を目指す。

 南波侑里香、野村萌、井絢乃といったTリーグ、日本リーグの実力者に加え、ノーシードにも青木咲智(四天王寺高)、小塩悠菜(JOCエリートアカデミー/星槎)、栗山優菜(桜丘高)、黒野葵衣(キヤノンメディカル)、梅村優香(サンリツ)、出雲美空(京都カグヤライズ)などがおり、スーパーシード勢も油断できない。

長﨑美柚

 

【Cブロック】

 最激戦区となりそうなのがCブロック。前回3位の赤江夏星、五輪メダリストで元全日本女王の平野美宇と伊藤美誠、さらに実績豊富な橋本帆乃香がドローされ、ベスト4をかけて白熱した試合が続きそうだ。

 赤江は前回大会で平野美宇を破って3位に入賞。日本生命へ移籍し、Tリーグではここまで10勝5敗という好成績を残している。20歳で迎える今大会、過酷なブロックを勝ち抜いて、次のステップを踏み出したいところだ。

 8年ぶりの優勝を狙う平野は現在Tリーグで14勝0敗と圧倒的な成績を残す。2018年大会の準優勝以降、全日本では表彰台に手が届かずにいるが、今大会はいかに。伊藤は3年ぶりの頂点に挑む。五輪代表もかかった前回大会ではベスト16で敗れ、涙で大会を終えたが、「これぞ伊藤美誠」という戦いぶりに期待したい。橋本は3大会連続ベスト16に終わっているが、Tリーグではリーグ最多の16勝と好調。まずは激戦ブロックを勝ち抜いて5年ぶりのベスト4を目指す。

赤江夏星

平野美宇

伊藤美誠

橋本帆乃香

 赤江、平野、伊藤、橋本の他にもパンチのある速攻を見せる安藤みなみ、独特のカットの変化が武器の兼吉優花、全日本社会人準優勝の麻生麗名がいるCブロック。牛嶋星羅(サンリツ)、菅澤柚花里(デンソー)もノーシードから上位進出を目指す。

 また、ホカバ4連覇中の小学5年・松島美空(京都カグヤライズ)は安藤のシード下に入った。前回大会では2回戦で敗れたが、今大会ではどこまで勝ち進めるか。

 

【Dブロック】

 今大会の注目トピックスのひとつが、張本美和による女子シングルス最年少優勝記録の更新。張本が今大会で頂点に立つと、2017年大会の平野美宇の16歳9カ月を抜く、16歳7カ月での優勝となる。もし最年少記録を更新すると兄・智和(智和企画)とともに、兄妹でシングルス最年少優勝記録保持者となる。

 張本は前回大会では15歳で決勝に進んだが、早田に敗れて準優勝。しかし、この1年でさらに実力を伸ばしており、パリ五輪団体戦で銀メダルを獲得、アジア選手権団体戦では中国から2得点、同大会シングルスで準優勝とその成長は止まらない。初優勝へ向けてライバルは多いが、一気に頂点まで駆け抜けることはできるか。

張本美和

 Cブロックでは毎年コンスタントに上位に顔を出す佐藤瞳にも注目。木村香純も前回大会で伊藤を破るなどポテンシャルは高い。日本リーグで活躍を見せる永尾尭子と枝廣瞳、青井さくら、木塚陽菜ら学生界の実力者たちも意地を見せたい。

佐藤瞳

木村香純

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