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全日本卓球2024

6回目の挑戦。松島、男子ジュニアV!「優勝して流した涙は人生で初めて」

ジュニアという鬼門を越えた松島。その涙の意味は

小学校時代に年代別の全国タイトルをすべて手中に収め、大物サウスポーとして将来を嘱望されていた松島輝空(木下アカデミー)。
過去5回出場したジュニアで3回決勝に進んでいたが、ことごとく敗れ、近くて遠いジュニアタイトルだった。

今大会の決勝の相手は同級生の吉山和希(岡山リベッツ)。ゲームオールまでもつれる展開だったが、最後は松島が11-8で振り切り、4度目の決勝で念願の優勝を手にした。

松島「優勝して流した涙は人生で初めて。試合前に不安だったり、緊張があった。簡単な試合ではなかった。決勝で3-0にはならずに2-2の試合になると思っていたし、同級生には負けたくなかった。まずはジュニアで勝てたので、ダブルスと一般シングルスも頑張ります」

 

★全日本選手権(ジュニアの部)

小学5年・2019年 準々決勝 0-3 横谷晟(愛工大名電高)

小学6年・2020年 決勝  1-3 吉山僚一(愛工大名電中)

中学1年・2021年 準々決勝 2-3 篠塚大登(愛工大名電高)

中学2年・2022年 決勝  0-3 吉山僚一(愛工大名電高)

中学3年・2023年 決勝  2-3 萩原啓至(愛工大名電高)

 

重圧と緊張、最後の競り合いで勝ちきったことが松島の成長を物語っている

 

昨年から今年1月のドーハまでのWTTの試合でもオフチャロフ(ドイツ)、アルナ(ナイジェリア)、李尚洙(韓国)、そして日本の張本智和、戸上隼輔などに勝ち、世界ランキング33位と日本選手として3番手につけている松島。最近の成長と実績で、パリ五輪の3番手候補にも名前があがるほどだ。

周りからの期待を感じながら、決勝で負け続ける松島自身がいた。いくら世界ランキングが上がったとしても、いくら世界のトップ級に勝っても、松島はこの「ジュニア優勝」という鬼門をくぐり、全日本という山に挑む必要があった。

肩の力が抜けた状態で挑むシングルスで、松島は本当の意味で台風の目になるかもしれない。 (今野)

昨年、決勝で敗れた際の松島。その涙は、悔し涙から嬉し涙に変わった

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