卓球王国 2024年11月21日 発売
バックナンバー 定期購読のお申し込み
全日本卓球2024

「楽しくやり切りました」。同級生3人が笑顔で挑んだ最初で最後の全日本

●女子ダブルス3回戦
里川奈優/船場清華(早稲田大/専修大) -10、-6、-4 牛嶋星羅/奥下茜音(レゾナック)

女子ダブルスに出場した船場清華/里川奈優(専修大/早稲田大)。大学4年間はライバルとして戦っていた2人だが、中・高時代は明徳義塾でともに切磋琢磨した親友でもある。

2人は明徳時塾時代に中学2年から高校3年までの5年間ダブルスを組んでおり、全日本カデット準優勝、インターハイベスト8という好成績を残している。しかし、全日本の予選だけはなかなか抜けられずにいた。

インターハイでベスト8入りを決め、佐藤監督に駆け寄る船場(右)/里川

高校3年の時には「また組めたら良いね」という話をしていたが、別々の大学に進学したことでなかなかダブルスを組む機会に恵まれず。しかし、大学4年で部活を引退し、社会人では卓球を続けない里川が船場に「ダブルスを組みたい」と声をかけたことで、ペア再結成が実現。

久しぶりのダブルスだったが、「お互の得意なことも苦手なことも分かっているから、1回目の練習から違和感なくできた」と抜群のコンビネーションで全国屈指の激戦区である東京都予選を通過し、ペアとして初めての全日本出場を決めた。

4年ぶりのダブルスとは思えないコンビネーションで全日本の出場権を獲得した

本戦では、明徳義塾時代の同級生で「高校時代からベンチに入ってもらっていた」という三村梨奈がベンチに入り、同級生3人で全日本を戦うことに。

試合では現在プロコーチとして働いている三村がアドバイスを送った

昨日の1回戦は危なげなく勝利し、迎えた本日の2回戦。新潟大の相手に対して2ゲームを先行され、3ゲーム目もリードを許す苦しい展開に。万事休すかと思われたが、「最後なので楽しんで思いきりやろうと思った」と大逆転勝利。3回戦は実業団ペアに敗れたものの、最後まで笑顔を絶やさずにプレーし、試合後には充実の表情を見せた。

2回戦は劣勢になるものの、「サヤパンチが決まりました」と船場のフォアスマッシュを起点に逆転で勝利

3回戦で実業団選手に敗れたが、楽しく最後まで戦い抜いた

「最後に全日本という舞台で試合ができて良い思い出ができたし、悔いなく終われます。楽しかったしやり切りました」と試合を振り返った里川。今後については「1、2年くらいは仕事が忙しくて卓球はできないと思う」としつつも、「いつか明徳義塾OGでチームを組んで試合に出ることを目標にしたい」と笑顔で答えた。

試合後には3人で記念撮影。いつかまたこの3人が、今度は団体戦で笑顔で試合をしている姿が見られるかもしれない

関連する記事