昨日からスタートした女子シングルス。多くの選手がコートに立ったが、その中で、海外での武者修行を経て全日本に挑んだ中道萌花(中京学院大)をピックアップ。
●女子シングルス1回戦
坂﨑愛華(正智深谷高) 8、8、8 中道萌花(中京学院大)
中道は現在、中京学院大に通う大学1年生。「もともと海外に興味があって、日本から出て違った世界を見てみたかった」と、長崎・瓊浦高3年時に同校の麻生豊成監督に海外でプレーしてみたいと相談。スペインのギルバー・ビックと契約を結ぶこととなり、高校3年の9月から数カ月、スペインに渡ってプレーした。
中京学院大に進学した昨年秋にはフランスに渡り、ニーム-モンペリエ・アライアンスに所属。フランス1部リーグに該当するプロAでも試合経験を積んだ。スペインに渡るまで「英語は学校の授業でしか勉強していなかった」という中道だが、海外での生活について不安はなかったのだろうか。
「英語はまったくダメでしたけど、行ってみたらなんとかなりました(笑)。向こう(スペイン)で英語を勉強しながら卓球をやっていたので、少しはしゃべれるようになったと思います。海外に行きたい気持ちが強かったから、不安とかはなかったですね。日本とは違った文化で生活してみて、海外の良さも感じたし、海外に行ったことで日本の良さにも気がつきました。またチャンスがあれば海外に行きたいと思っています」(中道)
昨日の試合では昨年のインターハイベスト8の坂﨑と対戦。「自分のミスで負けてしまった。細かい部分の未熟さが出た」とストレートで敗れたが、長身から繰り出すスケールの大きな両ハンドで見せ場は作った。
中京学院大の横谷淳監督に中道について聞くと「勝負どころで簡単にミスが出たり、緻密な部分が課題。でも、期待は大きい選手です」とコメント。海外にも目を向ける中道の考えを尊重し、応後押ししたいと語る。
「彼女は世界に出て、違った文化に触れたいという気持ちが強いので、そのチャンスがあるのなら応援してあげたい。海外でのいろいろな経験を経て、人間としての器も大きくなっているように感じます。結果だけじゃなく、そうした部分も大きくしていってほしいですね」(横谷監督)
中京学院大での生活は「大学の周りに何もないので、卓球をするしかない(笑)。日々、練習です」という中道。選手としても、人間としても伸び盛り。視線の先には、まだまだ新しい世界が広がっている。
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