本日行われた女子シングルス6回戦で木原美悠(木下グループ)に敗れ、大会を去った成本綾海(中国電力ライシス)。「最後の全日本」と決めて臨んだ大会で自身2度目のランク入りを果たし、全日本に別れを告げた。
●女子シングルス4回戦
成本綾海(中国電力ライシス) 8、10、8、7 信田ことみ(愛知工業大)
●女子シングルス5回戦
成本綾海 4、5、6、6 黒野葵衣(キヤノンメディカル)
●女子シングルス6回戦
成本綾海 -7、8、-4、-8、-6 木原美悠(木下グループ)
成本は中国電力ライシスの中心選手としてチームに数々のタイトルをもたらし、全日本でも女子ダブルスで2度準優勝に輝くなど活躍。しかし、「新しい挑戦をしたい気持ちがある」と中国電力を退社し、海外リーグでのプレーを目指すとのことで、全日本への出場は今大会が最後と決めていた。第1シードとして臨んだ女子ダブルスでは初戦敗退。スーパーシードとして女子シングルスに挑んだ。
4回戦では同じ左腕の信田にストレートで勝利して初戦を突破。続く5回戦でも全日本社会人準優勝の黒野を巧みなカット打ちで完封。同志社大1年だった2014年大会以来、自身にとって10年ぶり2度目のランク入り(ベスト16以上)を決めた。
6回戦の相手は第2シードの木原。多彩なサービス・レシーブから木原を崩しにかかるも「1年前に対戦した時と戦い方が違った。以前の方が攻撃してきてくれてやりやすかった」と、打たされる展開に持ち込まれ1-4で敗戦。自身にとって最後の全日本が終わった。
「最後の全日本というのは関係なく、勝ちにいきました。木原さんに打たされた感じで、最後まで攻め続けたけど、私が先にミスしてしまった。自分としては思い切ってできたけど、もう少し良い勝負ができたんじゃないかと思います」
最後の全日本が終わったとはいえ、卓球人生は続く。試合後も涙はなく、視線は次のステップへと向けられている。
「モチベーションがなくなったとか、そういうネガティブな理由ではなくて、新しいことに挑戦したい気持ちがある。だから全日本は今回が最後と決めました。今年の秋から海外のリーグでプレーできたら良いなと思っています。ただ、ずっと海外にいるかはまだ決めていなくて、Tリーグについても今のところ未定です。
全日本は誰もが勝ちたい大会。私も毎年ベスト8を目標にやってきたけど、中国電力に入ってからはランクに入ることができなかった。そういう意味では、最後の全日本でランクに入れたことはうれしいです。
実業団でもTリーグでも試合に出させてもらって、たくさんの方に応援してもらっている。全日本には出場しませんが、他の試合でこれからもプレーを見てもらえたらと思っています」
全日本からの「卒業」は残念だが、成本にとっては新たな一歩を踏み出すための決断。きっと、またどこかで華々しい活躍を見せてくれる日を楽しみにしている。
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