●男子決勝
〈中国 3−0 フランス〉
◯王楚欽 4、8、3 F.ルブラン
◯樊振東 −9、4、−8、10、7 A.ルブラン
◯馬龍 −7、2、4、6 ゴーズィ
男子優勝は中国、フランスを3−0で退け、2001年大会からの11連覇を達成!!
試合前のオーダー交換で、エースのF.ルブランを1番と4番に使える「ABC」(中国はXYZ)を選択できたフランス。中国から勝利を収めるためには、トップのF.ルブランの勝利が絶対条件だった。
しかし、トップを落とすとどうなるか、準決勝の韓国戦で思い知らされている中国は、トップ王楚欽が出足から抜群の集中力。一方、初の決勝のトップという大舞台で、F.ルブランはやや動きが硬く、普段は出ないようなミスを連発。特にフォアのオーバーミスが多く、1ゲーム目を王楚欽が11−4で奪う。
2ゲーム目は中盤でF.ルブランが5−3、7−5でリード。しかし、王楚欽がフォア前によく切れた下回転、バック深くにロングサービスのコンビネーションで追いつき、8−7と逆転したところでF.ルブランがタイムアウト。8−8から王楚欽はF.ルブランのミドルを両ハンドで突き、チャンスを作って攻め、11−8で連取する。
3ゲーム目になると試合は一方的な展開。これまでレシーブで効果を発揮してきた、F.ルブランの「ビタ止めストップ」が台から出てしまい、王楚欽に破壊的なフォアのパワードライブを打たれる。1−1から6点連取で7−1と王楚欽がリードを広げ、F.ルブランは少し集中力が切れてしまったか。最後は10−3のマッチポイントで、王楚欽がフォア前を強烈なチキータで打ち抜いた。「若い芽は早めに摘む」という意志を感じるプレーで完勝を収める。
2番は樊振東と兄のアレクシス・ルブラン。1ゲーム目、樊振東が8−4とリードして「このまま中国のワンサイドゲームか?」と思われたが、ここまで勝ち星が伸びていないA.ルブランが発奮。樊振東が制止するほど早い間合いから、フォアサービス、フォアのしゃがみ込み、バックサービスと目まぐるしくサービスを変えながら、強烈なバックハンドのカウンターを連発する。
A.ルブランは1ゲーム目を逆転して11−9で奪い、3ゲーム目も出足からバックのカウンターを次々に決め、11−8。準決勝の4番で張禹珍のバックカウンターをさばいた樊振東が、A.ルブランのバックハンドをさばき切れない。4ゲーム目も9−9でバック対バックの激しいラリーを制したA.ルブランが、10−9とマッチポイントを握ったが、ここで樊振東がフォアに来るバックカウンターをクロスへフォアカウンター。世界王者の意地を見せて12−10でしのぎ切る。
5ゲーム目は出足から樊振東が4−0とリードを広げ、7−2、9−3とリードを保ち、10−5でマッチポイント。A.ルブランも挽回したが、最後は11−7。A.ルブランの早い間合いに乗らず、勇気のあるプレーでA.ルブランのマッチポイントをしのいだ樊振東が制した。時に火の出るようなカウンターの応酬、コートに乾いた破裂音が交錯する好ゲームだった。敗れたとはいえ、A.ルブラン、最後の最後で意地を見せたプレーだった。
3番は馬龍対ゴーズィ。「後陣アーティスト」のゴーズィだが、「簡単に下がったら勝ち目はない」と3球目や前陣でのラリーで強烈なバックドライブを振り抜く。一方の馬龍は出足からフォアドライブをネットにかけるシーンが多く、ゴーズィが11−7で1ゲームを先取する。
「さすがの馬龍も、もう衰えは隠せないのか」。しかし、2ゲーム目から「絶対王者」は本領を発揮。レシーブや3球目からフォアドライブを連発して5−0とリードし、11−2であっという間に奪うと、3ゲーム目以降も台上のストップと速く深いツッツキでゴーズィを翻弄。ゴーズィの威力ある中陣バック強打も鉄壁のバックブロックでシャットアウトした。
3ゲーム目、10−6の馬龍のマッチポイント。フォア前へのサービスにゴーズィのストップがネットにかかり、試合は決まった。試合終了は22時ジャスト。中国男子、並み居る挑戦者を退け、王者の威信を保った。
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