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全日本卓球2022

父へ「親孝行」の全日本。一般最年少の11歳・浅里巧真は堂々の戦いぶり

 本日行われた男子シングルス2回戦に、今大会の一般種目最年少出場者である小学5年生・浅里巧真(Crossover)が登場。昨年の関東高校王者の加藤渉(作新学院高)に挑んだ。

 

 浅里は昨日のジュニア男子にも出場し、1回戦は相手の棄権で不戦勝、初戦となった2回戦では三上俊貴(帝京安積高)と対戦。打球点の早い両ハンドドライブ連打でフルゲームまで迫ったが、惜しくも勝利を逃した。ジュニアで果たせなかった勝利を一般シングルスでつかみたいところだったが、長身の加藤を打ち抜けず、浅里の初めての全日本は幕を閉じた。

 「全日本は厳しいと思いました。(ジュニアの試合は)勝てたかもしれない試合だったので悔しい。緊張はあんまりしなかったです。(東京体育館は)広いなと感じたけど、普段どおり試合ができました」(浅里)

連打で見せ場を作ったが、惜しくも勝利ならず

年上相手にも臆せず、堂々と立ち向かった

 

 浅里は父・亮太さんが代表を務める滋賀県大津市の瀬田西卓球センターの長男として誕生。しかし、指導者である亮太さんは、我が子を「トップ選手に育てたい」という思いは持っていなかったという。

 「自宅が卓球場ですし、何か取り柄になればという感じですね。もっと小さい頃は人見知りも激しくて、それをなくすために何かやらしてあげたかったのもあります。だから最初はトップを目指すというのは頭に全然なくて」(亮太さん)

 そうして卓球を始めた浅里だが、小学1年で初めて出場した全日本バンビで予選リーグを突破。これによりU-7ナショナルチームの合宿に参加することとなり、全国の同年代の選手たちに触れたことで競技としての卓球にのめり込む。自宅が卓球場ということで、現在は平日は5時間、休日はそれ以上練習することもある生活を送り、昨年の全日本カデット13歳以下では小学5年でベスト16まで勝ち上がった。かつての人見知りも、今では「卓球はいろんな人と知り合いになれるのが楽しい」と語るまでになった。

 亮太さんは選手として高校選抜、全日学、クラブ選手権、全日本マスターズなどに出場したが、全日本には出場経験なし。その中で、我が子がわずか11歳で出場を果たしたことについては「何より、うれしかった」と話す。

 「全日本の予選はすごく良い試合をしてくれて。一般の予選では元国体代表の選手に勝ったり、ジュニアの予選では一般の予選で負けた選手にリベンジしたり、よく頑張ってくれたと思います。厳しい練習をして、しんどいこともあるだろうし、落ち込むこともあるだろうし、自分の息子ですけど『気の毒だな』と思うこともありますから。なので、何より、うれしかったですね。全日本に出てくれたことは最高の『親孝行』だと感じます。

 本人がもっと高いレベルにいきたいのであれば、応援もします。でも、結果というよりは頑張れる人になってほしい。今までは周りが頑張らせてきた部分が大きいと思うけど、卓球でも、それ以外のことでも、自分自身で頑張れる人になっていってほしいですね」(亮太さん)

今大会もベンチでともに戦った父・亮太さん

 

 そんな孝行息子・浅里巧真の今後の目標は「全国ベスト4」。また、今週末に行われる東アジアホープスの代表選考合宿を勝ち抜いて日本代表になりたいとも語った。生まれ故郷、滋賀のシンボルである琵琶湖のように、ビッグな選手に育っていってほしい。

好きな選手はティモ・ボル(ドイツ)。「歳をとっても強くてかっこいい」とのことです

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