卓球王国 2024年4月22日 発売
バックナンバー 定期購読のお申し込み
全日本卓球2022

ランク入りの吉田海斗、現役最後の全日本で悔い無し

今年度で現役としてのプレーを終える吉田海斗(専修大)。5回戦では宇田幸矢(明治大)に会心の勝利を収めて、自身初となるランク入りを果たし、続く6回戦では吉山遼一(愛工大名電高)にストレートで敗れたものの、爽やかな笑顔を見せた。以下、吉田のコメント。

「幸矢(宇田)とは小学生時代の練習試合以外に試合での対戦がなくて、昨年の全日学では勝ち上がれば彼との対戦だったけど、私が負けてしまった。まずは対戦できるということだけでも嬉しかった。勝ちたいという気持ちと、幸矢に負けて終わるならいいかなという気持ち、半々でした。

試合では、正直ラッキーポイントも多かったですが、チキータをさせないこと、しっかりレシーブをすることを心がけ、ラリーになれば他の技術よりはまだ対抗できるかなと思っていた。私は身長も大きくないので、前で振っていかないと勝てない。前で良いラリーができました。1回チャンピオンになった選手で、リスペクトもあったし、勝てたのは嬉しかったです。

吉山君との試合は全然だめでした。勝って負けて、スラムダンクの桜木花道みたいになってしまった(笑)。私は良い試合をしたかと思えば、あっさり負けることがあって、今大会は良くも悪くも自分らしかったですね(笑)。

実業団チームへ進む話がコロナ禍でなくなってしまい、昨春から一般の就職活動をしました。そこで視野が広がった。これまで卓球ばかりの生活でしたが、卓球なしの自分というのにも興味が出てきて、ゼロからスタートするチャンスだと思えたんです。東急リバブルへの就職が決まり、選手としてプレーするのは3月の東京選手権が最後になります。

ランクに入って改めて感じたんですが、毎年ランクに入り続け、表彰台を狙い続けるのは、とてつもなく大変なことだと思いましたね。ぼくはたまたま1回ランクに入れたけど、それを続けるのはかなり難しい。弱くなって引退より、強いままで引退したいという気持ちもあったし、これから勝ち続ける大変さも感じた。何より最後の全日本で良い試合ができ、寂しさもあるけど、想像以上にスッキリとした気持ちです」

切れ味鋭い前陣ドライブで宇田を4−1で下した吉田(奥)

関連する記事