2018年11月に瀕死の事故に見舞われながらも、奇跡的な回復を見せた津村真斗。兄・優斗に誘われて全日本卓球鳥取県予選に出場し、劇的な経緯で本大会・男子ダブルスに出場となった。詳しい経緯は以下の記事で紹介している。
瀕死の事故から3年。兄弟で奇跡の全日本卓球複出場 -津村優斗・真斗
津村兄弟の初戦、男子ダブルス2回戦の相手は、強豪の東京アートペア。出足、丁寧につないだボールはすべて鮮やかに決められて1-11で落とすと、第2ゲームからは兄弟とも積極的にしかけて、中盤まで互角の展開に。それでも一気に引き離されて5-11。第3ゲームもつなぐことなくアグレッシブにプレーを続けて善戦したが、8-11でゲームセット。
鳥取県予選の決勝で勝利した直後は、弟・真斗は溢れる涙を抑えられなかったが、本戦ではわずかに目をうるませながらも、爽やかな笑顔を見せた。
優斗「コロナの状況の中、試合ができたことにまずは感謝です。試合内容のほうは、相手が強すぎて笑うしかなかったですね(笑)。相手のボールが重すぎて、決められなかった。でもパートナー(弟の真斗)が良いプレーを見せてくれたので良かったです」
真斗「最初につないだら全部きれいに決められたので、つなぐだけでは勝てないと思った。予選の時はつないでいたけど、今日は攻めて行けて、良いプレーができたと思います。予選はかなり緊張していて、今日も試合が始まるまでは緊張していたけど、コートに立ったら想像していた以上に楽しくプレーできました」
ベンチに入った父・佳彦さん「以前はベンチでは勝つために鬼の形相で入っていたんですが、今日は二人がコートに立ってくれただけで良かったです。相手が強い中で攻めていけたので、内容も良かったと思います。会場に着いて、昔からの知り合いの皆さんに声をかけていただいて、本当に有り難かったですね。真斗は来年卓球を続けるかわかりませんが、この試合で一旦は一区切りとなります。優斗には明日のシングルスで勝ちを目指してほしいですね」
命に関わる事故から、日常生活をできるようになっただけでも奇跡と言われた真斗は、兄とのペアで全日本の舞台に立ち、伸び伸びとしたプレーを見せた。事故の影響であまり腕を振ると鎖骨が外れるという身体にも関わらず、今日のプレーでは積極的な回り込みフォアドライブを連発、見ていて少し心配になったくらいのアグレッシブなプレーだった。強豪ペア相手に最高のプレーを出し切った兄弟ペアの晴れ晴れとした表情に、見ているほうも爽やかな気持ちにさせられた。
●男子ダブルス2回戦
上江洲光志/坪井勇磨(東京アート) 1、5、8 津村優斗/津村真斗(関西大/RVIVAL)
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