前回大会で5年ぶりの復活優勝を飾った石川佳純。組み合わせが出た時点で、ひとつのヤマ場と思われた6回戦の加藤美優戦に敗れた。
加藤のベンチに入っていたのは、前回大会では石川のベンチに入り、決勝では「対伊藤美誠」の策を授け、優勝へと導いた邱建新コーチ。加藤が中学時代、ドイツで指導をしていた縁などから、2カ月前から加藤を指導していた。
試合後、「加藤さんとは何度も対戦していますけど、今まで以上に嫌なところを攻めてくるなというのはすごく感じました」と語った石川。「稀代の戦略家」と言われる邱コーチが相手のベンチにいることが、石川にとっては無言のプレッシャーとなったことは想像に難くない。以下は石川の試合後のコメント。
「今の試合(6回戦)は、最初の2ゲームを途中までリードしていたのに取られてしまって、流れのうえで苦しい展開になってしまった。4ゲーム目も競り合いになったけど、9ー9から自分のサービスで2本失点してしまった。
相手の戦術に対応していこうと思ったんですけど、自分自身もやりたいところを深追いしてしまったり、切り替えられずにミスが出て、加藤選手の嫌なところを攻められずに終わってしまったかなと思います。
初戦から競り合いが続きましたし、このベスト8決定や準々決勝になるとほとんど同じレベル。そこで厳しい戦いを勝っていかないといけなかったけど、今日は勝負どころでいまいち自分の攻めが厳しくいけなかった」(石川)
石川は平野美宇と組んだダブルスでは、明日の準決勝まで勝ち上がっている。パートナーの平野も6回戦で敗れ、ともに明日のダブルスを残すのみ。「1戦1戦後悔のないよう、100%の力が出せるように頑張りたい。まだ平野選手とのペアでは全日本で優勝していないし、オリンピックに向けてつけてきた力を出していきたい」と抱負を語った。
一方、石川に勝利した加藤は「石川選手と当たるかなと思っていたので、対策をすごくやってきた。石川選手のほうが私より格上なので、いつもは最後緊張して守りに入ってしまうことが多かったけど、今回は絶対勝つんだという気持ちでやれたのが良かった」と語った。
守備力が高く、緩急自在のプレーを見せた加藤。明日の準々決勝では大藤沙月(四天王寺高)と対戦する。
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