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全日本卓球2022

「本当に良い終わり方」 宋恵佳、笑顔で現役生活に別れ

 先ほど行われた女子ダブルス決勝で惜しくも敗れ、準優勝に終わった宋恵佳/成本綾海(中国電力)。この決勝をもって現役引退となった宋が試合後、会見に臨んだ。

 

★宋恵佳・決勝後コメント

 「(10-5から逆転された)1ゲーム目は硬くなってしまった。作戦は早田さんのフォアドライブを封じかったので、ストップを全面にしようと話していました。でも、伊藤さんも早田さんもドライブの質が数段高かった。だけど、日本リーグのペアでも勝負できるんだなと。

 最後だったからという変な緊張はない。最後だから楽しみたいねと話していて、実際にすごく楽しめました。過去の全日本では負けた試合ばっかり思い出してしまって、あまり記憶に残った良い試合はないですかね…。

 成本さんとはプライベートでもすごく仲が良いんですけど、最後の1年組むことになるとは思っていなかった。1年だけの期間限定です。お互いの意見がかみ合わないことも多くて大変だったけど、最後に良いプレーができた。

 これで現役は引退します。自分がプレーすることは当分ない。いち卓球ファンとして、まだTリーグも観に行ったことがないので行きたいですね。最後の1年はキャプテンにも就任して、ファイナル4や後期日本リーグで優勝、ビッグトーナメントでも成本さんとのペアで優勝できた。こうして最高の舞台で引退ということで、この1年すごく充実していましたし、こんな良い終わり方ができることはなかなかない。本当に良い終わり方だったと思います」

決勝後、ベンチに入った和田圭輔コーチ、パートナーの成本綾海と

 

 シングルスでも2019年にビッグトーナメント優勝、前回の全日本でもベスト16に入る実力の宋だが、ダブルスの名手でもあった。2016年度の全日本女子ダブルスでも土田美佳(当時・中国電力)とのペアで決勝に進み準優勝。団体戦でもチームの要として単複で活躍し、中国電力を常勝チームへと引き上げた。今日の決勝でも、ペンホルダーならではの強烈なフォアフリックで伊藤、早田のサービスを狙い打ってレシーブエースを連発。そのテクニックは世界選手権準優勝ペアにも通用していた。

決勝でもペンホルダーならではの強烈なフォアフリックを見せた

 

 優勝のチャンスもあっただけに、見ていた側からすると「1、3ゲーム目のゲームポイントを奪っていれば…」とも思ってしまうが、笑顔で全日本を去った。数少なくなったペンホルダーのトップ選手として、ファンも多い宋。現役引退は残念だが、まずはお疲れ様でした。これからも幸多き人生を!

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