男子シングルス1回戦、上下を揃えたXIOMのウェアがひと際目立っていたのが、鳥取から出場した山本将輝。男子シングルスでベスト8に入った実績を持つベテラン・時吉佑一をゲームカウント0−2から大逆転し、うれしい全日本シングルス初勝利をつかんだ。
「全国のトップでプレーしてきた選手が相手なので、1ゲーム取れればいいと思っていた」という山本。1ゲーム目に10−7のリードから逆転を許し、2ゲーム目も落として0−2と苦しい展開になったが、「3ゲーム目の終盤くらいからサービスが効き始めて、そのサービスを思い切って使って攻めていったら展開が良くなっていった」と試合後のコメント。中陣でのラリーでも力強い両ハンドドライブを見せ、3ゲーム連取で逆転した。
県立高から地元の鳥取大に進み、強豪チームとは無縁の競技生活だった山本。大学4年時にはコロナ禍で大会に出られなくなるなど、苦渋も味わった。社会人になってからは練習量も減る中、「毎回できる時にできる人にお願いして、練習してもらっている」という。
「たくさんの人にお世話になっているんですけど、ちょっと努力が報われたというか、みんなに恩返しができたかなという気持ちがあります。鳥取からシングルスに出てもなかなか勝つのは難しいので、その中で勝てたのは、鳥取県代表として少しでも貢献できたかなという気持ちがあります」(山本)
ちなみに使用用具はラケットが『張継科ALC』、フォア面に『ディグニクス05』、バック面に『ディグニクス80』となかなかパワフル。かつては打球感重視で木材ラケットを使用していたが、上位クラスとのラリー戦で打ち負けないよう特殊素材ラケットの『張継科・ALC』に変更した。
「前は気持ち良く打てる木材ラケットが好きだったけど、やっぱり全国大会に出ると押されて勝てない。全国で強い選手と良い勝負をするには、硬い用具でないと打ち返せない。『ディグニクス05』はしっかりボールが伸びて深く入るし、『ディグニクス80』は回転がかかって安定する。今の用具は自分にあっていますね」(山本)
続く2回戦では松田(明治大)にストレートで敗れたものの、中陣からバックドライブで打ち抜くなど好プレーも見せた。ちなみに山本の弟さん、山本歩は出雲北陵高から明治大に進み、松田とは大学の同期になる。
シングルス1勝の勢いに乗り、来週出場する男子ダブルスでも勝利を目指す。頑張れ、輝く鳥取の星!
●男子シングルス1回戦
山本将輝(上北条クラブ) −14、−8、9、8、9 時吉佑一(La.VIES)
●2回戦
松田歩真(明治大) 6、6、8 山本将輝(上北条クラブ)
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