卓球王国 2024年11月21日 発売
バックナンバー 定期購読のお申し込み
全日本卓球2024

後半になるほどボールが走った横井咲桜。2年連続で準決勝進出

昨年は伊藤美誠(スターツ)に勝利するなど、破竹の勢いで表彰台まで駆け上がった横井咲桜(当時・四天王寺高→現・ミキハウス)。ここ1年、選考会などで実力を示してきた横井だが、今大会2年連続での準決勝進出を決め、改めてその実力が本物であることを証明した。

●女子シングルス準々決勝
横井咲桜(ミキハウス) -7、6、-9、-9、4、7、0 木村香純(トップおとめピンポンズ名古屋)

前日のベスト8決定戦では伊藤美誠に1-3から逆転勝ちを収めた木村香純。一方の横井咲桜も5回戦ではカットの永野萌衣(愛知工業大)に1-3から逆転と、ともに苦しみながらも準々決勝に勝ち進んだ両者。

1ゲーム目は木村がミドル攻めにうまく対応しつつ、厳しいコースの両ハンドドライブで先制。2ゲーム目は横井が出足から8-1と突き放して逃げ切り。3・4ゲーム目は一進一退の展開を木村が制して勝利へ王手。

しかし5・6ゲーム目は横井が連取。立ち位置を変えるサービスやチキータなどで、木村のペースを崩した。さらに最終ゲームは圧巻のラブゲームで、横井が鮮やかな逆転勝利となった。

木村も動きにキレがあり、前後の立ち位置も調整しつつミドルにも対応して、威力あるドライブを連発。しかし横井には焦りがなく、サービスやコース取りなど戦術転換するとともに、終盤になるほどにボールが走り、技術に加えてえ戦術やメンタルの強さも示した。

昨年に続き表彰台を決めた横井

●横井試合後コメント
「スーパーシードの試合でも1-3からの展開で苦しみながらも勝てた。今回も1-3から自分の良い展開を見つけて勝ち切ることができました。3、4ゲームをせって落とした時でも、引きずってしまうかもしれないけど、今の自分は切り変えて戦うことができたのが成長した部分。自分が向かってやるだけ。
序盤はバックからサービスを出して、相手にチキータとかやられて展開も良くなかったけど、フォア側から出したら相手の待ちが外れて、自分の展開に持っていけた。
去年はベスト4で負けてしまったので、今年は本気で優勝を狙っていきたい」

●木村試合後コメント
「昨日、初めてランクに入って、もう1個勝ちたいという欲が出てきた。リードしていただけに悔しい。途中からサービスやコース取りを変えられて、対応できたとは思うけど、相手のほうが気持ちが前に出てきた。相手は後半はボールが走ってきて、私が守るようになってしまった。
初ランクの目標は達成できたのはとてもうれしい。今年はここまでこれたので、もう1個勝てるよう、目標を上げて結果を出したい。
社会人になって1日1日が過ぎるのが早く感じて、それは充実できているということ。技術も少しずつ吸収できているという実感はあります。
Tリーグは3年前に初参加して11勝くらいした。去年は結果が途絶えてしまったけど、あの時の体の動きを再現しながら、これまでと違う自分を出していこうと思っている。常に新しいことに挑戦し、やっていなかったことを取り入れることが大事。今日もいろんなことに挑戦しました。
(昨日の伊藤美誠戦)相手は代表がかかっているのでやりにくさはあったけど、勝負の世界なので。勝てたことはすごく嬉しいけど、少しだけ複雑な気持ちもありました」

3-1から逆転を許した木村だが、初のランク入りでベスト8に名を連ねた

★全日本卓球2024現地リポート特設サイトはこちら

関連する記事