パリ五輪選考を兼ねた今回の全日本。選考ポイント3位の伊藤美誠(スターツ)がシングルス代表権を獲得するためには、ベスト8以上に入るのがひとつの条件だった。しかし、そんな伊藤のベスト8入りを女子シングルス6回戦で阻止し、自身初となる準々決勝進出を決めたのが木村香純(トップおとめピンポンズ名古屋)だ。
主にTリーグで活躍している木村は、今シーズンここまでシングルスで2勝、ダブルスでは7勝をあげている実力者。しかし、全日本選手権では今まで5回ランク決定戦に進むも、どうしても勝利できずにいた。
ノーシードからのスタートとなった今回の全日本。3回戦で牧野里菜(遊学館高)、4回戦でインターハイ女王の青木咲智(四天王寺高)とはフルゲームまでもつれる厳しい戦いを何とか勝ちきると、ランク決定戦となる5回戦では岡田琴菜(愛知工業大)に勝利。6度目の挑戦にして初のランク入りを決めた。
そして6回戦の伊藤との対戦では、「今までは一本取られたら戦術を変えてしまっていた」という反省を生かし、試合前に監督と話し合った「伊藤対策」を徹底。「伊藤選手の緩急に負けないように、自分から崩して行こうと思った」と積極的に攻撃を仕掛けながら「ミドルに打ったら鋭いボールが返ってくるので、サイドにワイドにコースを突いた」とコース取りも工夫。ゲームカウント1-3とリードされるも、「体の力を全て抜くことを意識した」と5ゲーム目をジュースで奪うと、第6、7ゲームも連取し、うれしいベスト8進出を果たした。
「相手はすごくプレッシャーのかかる6回戦だったけど、私に取っては初のランク入りを決めた後の6回戦。ブレずに自分のプレーをすることが大切だと思っていたので、それが出来て勝てて良かった。今まで5度ランク決定戦で負けてしまっていたので、今回は6度目の正直という感じですごくうれしかったです。準々決勝で対戦している横井選手は前回のTリーグで負けているので、頑張りたいと思います」
●女子シングルス5回戦
木村香純(トップおとめピンポンズ名古屋) 9、-3、6、9、8 岡田琴菜(愛知工業大)
●女子シングルス6回戦
木村香純(トップおとめピンポンズ名古屋)-7、11、-7、-8、10、9、7 伊藤美誠(スターツ)
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