1月23日からスタートする天皇杯・皇后杯 2023年 全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部)。卓球王国WEBでは今年も現地より大ネタ・小ネタを織り交ぜた速報をお届けしていく。大会開幕に先駆け、まずは各種目の見どころを紹介。今回は女子シングルス。
前回大会では、伊藤美誠(スターツ)が3年ぶり3度目の優勝を飾った女子シングルス。今大会は「現」女王である伊藤、さらに「元」女王の石川佳純(全農)、平野美宇(木下グループ)、早田ひな(日本生命)という優勝経験者と、長﨑美柚(木下グループ)、木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎)を筆頭とする若手による優勝争いとなりそうだ。
【伊藤と長﨑の一騎討ちか? Aブロック】
第1シードの伊藤は、この1年間、国内選考会で日本選手に敗れる試合が目立った。しかし初参戦となったTリーグでは8勝1敗の成績を残しており、その実力はやはり世界トップ。苦手な戦型がいないこともトーナメントを勝ち抜くうえでは大きく、やはり優勝候補の筆頭と言える存在だ。
Aブロックで、伊藤にとって一番の難敵となるのは長﨑だろう。長﨑は昨年3月のLION CUP TOP32で伊藤に勝利しており、高い攻撃力を武器に初の表彰台、そして優勝を狙う。Aブロックには全日本で過去2度表彰台に登っている森さくら(日本生命)、社会人女王の井絢乃(中国電力)、日本リーグで好成績を残している出雲美空(サンリツ)もいるが、ノーシードにも実力者が多い。前々回ベスト8の横井咲桜(四天王寺高)が井、木村香純(トップおとめピンポンズ名古屋)が野村萌(デンソー)のシード下に入った。
【18歳・木原は昨年の鬱憤を晴らせるか Bブロック】
Bブロックに入った第4シードの木原は前回大会では発熱により準決勝を棄権。その鬱憤を晴らし、初優勝を狙う。木原も伊藤同様に苦手なタイプが少なく、全日本でも2019年に準優勝に輝いて以降、2020年大会ベスト8、2021年大会ベスト4、2022年大会ベスト4と毎年上位に進出。昨年4月のアジア競技大会日本代表選考会で伊藤からも勝利をあげており、一気に頂点まで駆け上がるだけの実力はある。
その木原の対抗馬となりそうなのがTリーグで10勝をあげるなど活躍を見せている橋本帆乃香(ミキハウス)。同じくTリーグでプレーする南波侑里香(トップおとめピンポンズ名古屋)もキャリアハイのベスト8を越える成績を目指す。また、全日学2連覇の黒野葵衣(早稲田大)も驚異的な粘りで存在感を見せたい。
【2年連続で加藤vs.石川の可能性も? Cブロック】
前回大会で初の表彰台となる3位入賞を果たした加藤美優(吉祥寺卓球倶楽部)のCブロックに入ったのは、過去5度の優勝を誇る石川。両者は前回大会でも対戦し、加藤に軍配が上がったが、今回も順当に勝ち上がると、ベスト8入りをかけて6回戦で対戦することとなる。加藤はこの1年間はあまり目立った成績を残せていないものの、全日本で再び輝きを取り戻したいところ。石川も苦しんだ1年だったが、やはり大一番での勝負強さは侮れない。「まだまだ強い石川佳純」をアピールしたい。
佐藤瞳(ミキハウス)は5年連続ベスト8と準決勝を前に足踏みが続く。安藤みなみ(トップおとめピンポンズ名古屋)、成本綾海(中国電力)、出澤杏佳(専修大)とTリーグ、日本リーグ、学生界を代表する異質型が揃うトーナメントを勝ち抜き、6年ぶりの表彰台を目指す。また、インハイ女王の高校3年・赤江夏星(香ヶ丘リベルテ高)、高校2年の小塩遥菜(JOCエリートアカデミー/星槎)というジュニア勢も先輩たちに割って入りたい。
【本格派が勢揃い。混戦模様のDブロック】
本格派ドライブ型が揃い、最も混戦が予想されるDブロック。前回2位の早田は国内外問わず安定して上位に進出しており、今大会は3年ぶりの優勝を狙う。女子シングルスの他、女子ダブルス、混合ダブルスにもエントリーしており、3種目とも優勝候補だけに連戦が予想されるが、その中でコンディションをいかに維持できるかが優勝に向けてのカギとなるだろう。
そしてDブロックには、こちらも優勝候補の平野が入った。昨年11月の全農CUP TOP32では伊藤、早田らを破って優勝と上昇気流に乗っている。ここ数年、全日本では上位に絡めないでいるが、6年ぶりの優勝はなるか。また、Tリーグトップの13勝をあげている芝田沙季(ミキハウス)、成長著しい張本美和(木下アカデミー)、前回ベスト8の大藤沙月(四天王寺高)もおり、見応えのあるラリー戦が繰り広げられそうだ。
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