今日行われた男子シングルス4回戦の中でも注目となった、前回大会準優勝の松平健太vs.2017年大会準優勝の吉村和弘の一戦はノーシードから勝ち上がった吉村に軍配。前回ファイナリストを退け、明日の5回戦へと駒を進めた。
●男子シングルス4回戦
吉村和弘(個人) -5、8、10、8、-8、11 松平健太(ファースト)
昨年の全日本は棄権により不戦敗のため、今大会はスーパーシードを外れた吉村。かつて全日本決勝に進み、日本代表として世界選手権に挑んだ男も1回戦からの登場となった。さらに1~3回戦は観客席もないサブアリーナでの試合。それでも遠藤竜馬(日野キングフィッシャーズ)、徳田幹太(野田学園高)と高校の後輩を連破してスーパーシードの待つ4回戦へと駒を進めた。
ようやくたどり着いたメインアリーナでの4回戦で前回準優勝の松平と対戦。吉村が両ハンドから剛球を繰り出し、松平がそれをいなしながら反撃に転じる試合展開となるも、2ゲーム目以降は吉村が勝負所できっちり得点してゲームカントを3-1とリード。松平に逃げ切られて5ゲーム目を落とすも、6ゲーム目12-11で吉村がマッチポイントを握った場面でベンチに入った愛知工業大、東京アート時代のチームメイト・上江洲光志がタイムアウト。次の1本を狙い通りに奪い、吉村が松平を沈めて5回戦進出を決めた。
一方、前回大会では多彩なテクニックを武器に13年ぶりの決勝進出を果たした松平はシングルスでは無念の初戦敗退。改めて、全日本の厳しさを感じさせられる結果となった。
サブアリーナの試合から今日の4回戦まで、接戦で勝利した試合でも、大きな咆哮を見せることのない吉村。それでも、身に纏ったレッドのウェアのように、心は静かに激しく燃えているように映る。準優勝に輝いた2017年大会もスーパーシード外から決勝に進んだが、ようやくたどり着いたメインアリーナで、さらに勢いを加速させていくか。吉村がベスト16入りをかけて5回戦を戦う相手は、森薗政崇(BOBSON)を破った上村慶哉(シチズン時計)だ。
ツイート