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全日本卓球2023

華麗なカットと攻撃でファンを魅了し続けた御内健太郎。惜しまれつつラケットを置く

●男子シングルス3回戦
坂根翔大(関西卓球アカデミー) -9、8、-8、4、11 御内健太郎(シチズン時計)

守備範囲の広いカットとともに、ドライブマン顔負けの躍動感あふれる攻撃で、ファンを魅了し続けてきた御内健太郎。今年度は前期日本リーグ優勝、そしてファイナル4では決勝で自らが勝利をあげての初優勝と、「Mr.シチズン時計」としてドラマチックな活躍を見せた。

その御内にとって最後の全日本となった今大会。初戦となる2回戦は橋本(中央大)にストレートで快勝したが、続く坂根との3回戦は激闘となるも惜敗。現役生活に終止符を打った。

試合は序盤から坂根が高い打球点のカット打ちで攻め立て、御内がカットでしのぎつつ、攻撃を織り交ぜる展開。一進一退の攻防は最終ゲームにもつれ、御内が10-8とマッチポイントを握ったが、坂根が追いついてジュースに。渾身の3球目攻撃がネットにかかった御内に対し、坂根は最後までフォアドライブを振りぬいて激戦に終止符を打った。

この試合が現役生活最後の試合となった御内は、観客席に手を振り、ベンチに入ったシチズンの先輩・田中満男さんと固い握手。多くのファンに惜しまれながら、ラケットを置いた。

カットとドライブのダイナミックなプレーを貫いた御内だったが、最後は渾身のカットがオーバー

記者会見での御内のコメント
「正直、もう1回、2回勝って、ランクに入りたかったけど、20数年、卓球をやり切った。数年前から会社と話し合って、31歳でやめる予定だったが、シチズンの選手が抜けて現役が長引いた。今年度は前期日本リーグで優勝して、来年度の選手が確保できたということで、会社側と相談して引退を決めました。周りからは「もったいない」「まだできる」とたくさん言っていただいて、自分としてはうれしく思います。いろいろ良い経験、悪い経験があったけど、全日本でランクに入ることを昔から目標にしていたので、初めてランクに入った時が思い出になっています。今後はシチズンの監督になるかどうかは来春決まりますが、まずは仕事に入ることになります。(今後の目標は)卓球を終えて何も目標はないというか、これまで家族に理解してもらって土日に試合で抜けていたので、子どもや家族に良い思い出を作りたいです」