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全日本卓球2023

若手からベテランまでツワモノ揃いの戦国全日本を制すのは? 男子シングルス展望

 1月23日からスタートする天皇杯・皇后杯 2023年 全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部)。卓球王国WEBでは今年も現地より大ネタ・小ネタを織り交ぜた速報をお届けしていく。大会開幕に先駆け、まずは各種目の見どころを紹介。昨日の女子シングルスに続いて、男子シングルス。

 2020年大会で宇田幸矢(明治大)が初優勝を果たして以降、2021年・及川瑞基(木下グループ)、2022年・戸上隼輔(明治大)と毎年新チャンピオンが誕生している男子シングルス。パリ五輪を狙う若手の台頭もめざましい一方、前回大会では松平健太(ファースト)、丹羽孝希(スヴェンソンホールディングス)、吉村真晴(TEAM MAHARU)が表彰台に上がるなど、中堅・ベテランも健在ぶりを見せており、今大会も幅広い年代の強者がしのぎを削る、戦国全日本となりそうだ。

 

【戸上は水谷以来の連覇なるか? Aブロック】

 前回大会、堂々のプレーで初優勝を飾った戸上は水谷隼以来の連覇に挑む。昨秋からはドイツ・ブンデスリーガに参戦するなど、現状に満足することなく己を高めてきた。前回大会の優勝後には「日本を背負っていく覚悟はできている。自分の物語はまだ始まったばかり」と宣言したが、2連覇で「戸上時代」の幕開けとなるか。

戸上隼輔

 その戸上のAブロックには神巧也(ファースト)、町飛鳥(ファースト)、木造勇人(個人 ※スーパーシード外)、田中佑汰(愛知工業大)と過去に入賞経験のある選手たちが入った。特に田中は全日学を制し、昨年11月の全農CUP TOP32でも決勝に進むなど、勢いを感じさせる。松下大星(クローバー歯科カスピッズ)は前回大会のベスト8でひとつ殻を破った感があり、希少なペンホルダーとして、今大会でも活躍に期待がかかる。また、前回大会で中学2年にしてベスト16入りを果たした松島輝空(木下アカデミー)にも注目したい。

田中佑汰

松島輝空

 

【幅広い年代の実力者が集った最激戦区か? Bブロック】

 Bブロックの吉村は前回大会で張本智和(IMG)を破り、6年ぶりの表彰台となる3位入賞。以降もTリーグ、パリ五輪国内選考会で好成績を残しており、1月の世界選手権アジア大陸予選では馬龍(中国)を下すなど、充実ぶりが光る。しかし、このブロックには若手からベテランまで実力者が集結しており、吉村といえども簡単には抜け出せないだろう。

吉村真晴

 2年前のチャンピオン・及川は前回大会では無念の5回戦敗退(ベスト32)。昨年は初の世界選手権も経験し、ひと皮むけたクレバーなプレーで王座奪還を狙う。この1年で大きく躍進を遂げた篠塚大登(愛知工業大)は全日本では4回戦がこれまでの最高成績。心・技・体が充実しており、今大会で一気にブレイクを果たす可能性も大きい。また、大島祐哉(木下グループ)と上田仁(T.T彩たま)、経験も豊富なTリーガー2人も意地を見せたいところ。インターハイ三冠の鈴木颯(愛工大名電高)も高校最後の全日本で、ステップアップを期す。

及川瑞基

篠塚大登

 

【充実の張本は王座奪還なるか? Cブロック】

 前回大会で3位に入賞し、7年ぶりに表彰台へ上がった丹羽。昨年、国際大会からの引退を表明したが、プレーのキレはまだ衰えていない。気持ちも新たに挑む全日本でどのようなプレーを見せてくれるか期待したい。そしてCブロック最大の注目は張本だろう。昨年の世界選手権団体戦では中国から2得点をあげるなど、国内外で強さを見せている。2018年大会の初優勝以降、全日本では苦い敗戦が続いているが、東京体育館に歓喜の咆哮を響かせることができるか。

丹羽孝希

張本智和

 Cブロックではドイツ・ブンデスリーガで大活躍を見せている村松雄斗(La.VIES)も注目の存在。順当に勝ち上がると5回戦(ベスト16決定戦)で張本との対戦となる。昨年、初の世界選手権代表を勝ち取った横谷晟(愛知工業大)も突破力のあるプレーで上位進出の可能性を秘める。変幻自在のオールラウンダー・英田理志(愛媛県競対)、パワーとクレバーさを兼ね備えた吉山僚一(愛工大名電高)、スーパーシードではないが現役ラストイヤーで充実のプレーを見せている御内健太郎(シチズン時計)も面白い存在だ。

村松雄斗

 

【スーパーシード以外も強力。混戦のDブロック】

 第2シードの松平は前回大会で実に13年ぶりとなる決勝進出。惜しくも優勝は逃したが、まさに「天才」というプレーを披露した。主戦場のTリーグでもここまで10勝6敗と勝ち越している。しかし、初戦から油断はできない。松平のシード下には2017年大会準優勝の吉村和弘(個人)がドローされ、順調に勝ち上がってくると、松平は初戦の4回戦で吉村と対戦する。Dブロックでは曽根翔(T.T彩たま)も谷垣佑真(愛知工業大)のシード下に入っており、混戦が予想される。

松平健太

吉村和弘

 2020年大会優勝の宇田は前々回大会は初戦となる4回戦敗退、前回大会もベスト32で終戦と全日本では苦しんでいる。昨秋からドイツ・ブンデスリーガに参戦し、試行錯誤の日々を過ごしてきたが、武者修行の成果を今大会で発揮できるか。Dブロックではガッツマンの吉田雅己(木下グループ)、森薗政崇(BOBSON)も虎視眈々と上位をうかがう。ともに中堅からベテランの域に入ってきたがここで存在感を見せたいところだ。2021年インターハイ王者の谷垣も、同い年の篠塚に負けないだけのインパクトを残したい。

宇田幸矢

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