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全日本卓球2023

「自分の大学にも注目してもらいたい」。関西3部校から全日本出場、京都華頂大・中村しずな

●女子シングルス2回戦

中村しずな(京都華頂大) -7、-3、-3 村田咲紀(関西学院大)

全日本選手権には関東、関西、その他地域の大学生も数多く参加するが、それらの多くが各学生リーグの1部で戦う大学に所属する選手。2部校の選手も時折見受けられるが、3・4部校の選手はほとんどいない。そんな中、関西3部校に所属する中村しずなは、佐賀県代表として女子シングルスに出場した。

佐賀県・敬徳高出身の中村は、高校時代には全日本、インターハイに出場する実力の持ち主。それほどの実力を持っているのならば、大学は各地の学生リーグの1・2部に所属する大学に進学するのが普通だが、中村は違った。「教員になりたくて、大学は卓球と教員の勉強を同じように頑張れるところを選んだ」と、関西3部の京都華頂大に進学。進学後は練習時間が減ったが、中村はそれを不満に思うどころかプラスにとらえていた。

「短い時間で課題練習を重点的にやって、頭を使って卓球することが増えたのでそこは良かったと思います」(中村)

本日行われた女子シングルス2回戦に登場した中村は、関西1部校である関西学院大の村田咲紀と対戦。鋭いバックドライブで得点を奪うも、村田の安定感の高さの前にストレートで敗戦。試合後、「相手選手はレベルが高く、頭の使い方や安定感も違った。自分もそこは練習しないといけない」と振り返りながらも、「頑張ったら1ゲーム取れたと思います」と前向きなコメントを残した。

積極的にバックハンドを振った中村

余談だが、筆者は関東3部校出身。大学時代は「明治大」や「早稲田大」などの1部校の名前を見えると、試合をする前から無理だと思い負けた気になる、いわゆる「名前負け」を起こすことが多かった。中村にも「1部校と対戦する時に名前負けをすることがないか?」と聞いたところ、「自分が通っている大学にも注目してほしいし、教員になった時に『自分が通っていた大学はすごかったんだよ』と言えるように成績を残していきたい」と、どんな相手にも物怖じしない姿勢を見せた。

京都華頂大1年・中村しずな。いずれ大学卓球界に旋風を巻き起こすかもしれない彼女の名をぜひとも覚えておいて欲しい。

まだまだ成長途中の中村。これからの活躍に期待

ベンチに入ったのは母・静子さん(左)。「全日本のベンチに入れる機会は中々ないので、良い経験ができました」(静子さん)

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