全日本卓球2023 女子シングルス6回戦（ベスト8決定戦）、連覇を狙う伊藤美誠に対し、横井咲桜が会心のプレーで金星をあげた。一昨年は自身初となる全日本上位進出でベスト8に入った横井。昨年は棄権となったが、2年ぶりの全日本で国内トップクラスの実力を改めてアピールした。
試合は出足から横井のペースで進む。特に巻き込みサービスやフォアサービスが非常に効き、最後まで伊藤を苦しめた。横井は両サイドのボールにも強く、ラリーになっても粘ってから威力のあるドライブで反撃する場面が度々見られた。
対する伊藤はサービス、レシーブでなかなか先手を取れずに3ゲームを落とす。第4ゲームも2－6とリードを奪われたが、ロングサービスを使った展開で9－9に追いつき、2本連続の打ち合いを制して1ゲーム奪取。
5ゲーム目も横井ペースで7－2となったが、またも伊藤が踏ん張り、サービスエースを奪うなど8－8と追いつく白熱の展開。そして9－9から伊藤が横井のミドルを厳しく攻めたが、横井がしのいで得点。さらに横井のマッチポイントでも、伊藤の強打を横井が中陣からしのぎ、伊藤がスマッシュミス。ポーカーフェイスで戦い続けた横井は、力強く両手を挙げて喜びを表した。
伊藤がベストの状態ではなかったとはいえ、両ハンドドライブ連打の真っ向勝負で勝利した横井。まさに会心の一戦だった。
●女子シングルス6回戦
横井咲桜（四天王寺高） 7、9、7、-9、9 伊藤美誠（スターツ）
●横井の記者会見コメント
「正直、自分が一番驚いているというか、本当にうれしい気持ちでいっぱいです。いろいろな方々に協力してもらって、そのおかげで勝つことができた。自分が振り回されると不利になるので、できるだけ相手の嫌なところを突いて、チャンスが来るようにとしっかり考えてできたのが良かった。自分は3球目を打たれても大丈夫という自信があったので、レシーブはそこまで厳しくいかずに丁寧にやっていました。追いつかれた時はやばいなという感じはあったけど、3ｰ1でゲームをリードしていたので、一本一本丁寧にいこうと思いました。最後まで我慢して、そこで勝てたのが良かったと思います。今回の喜びは本当に過去一かもしれないです」
横井は迷いなく振り切る両ハンドドライブで伊藤を打ち抜いた
●伊藤の記者会見コメント
「横井選手とは初めての対戦で、思った以上に結構振ってくるタイプだった。動画で見ていても受けてみないとわからない。私は対応力がまだ足りないと、上の選手を見ていて思う。自分も思い切った部分はあるけど、それが最初から最後までとはいかなかった」
いつになくベンチで厳しい表情を見せた伊藤
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