●女子シングルス準決勝
早田ひな(日本生命) 7、4、5、9 石川佳純(全農)
女子シングルス準決勝、早田ひなと石川佳純の左腕対決は、ストレートで早田が勝利!
百戦錬磨の石川に対し、早田の戦術は徹底していた。1ゲーム目でバック対バックのラリーから、先に石川のフォアをバックハンドで突き、ペースを握る。ラケットをワイパーのように横に振る早田のバックハンドは、石川のフォアに逃げていく球質になり、石川はなかなか威力あるフォアドライブで返球できない。石川は試合後、「ちょっと作戦変更や自分のプレーの変更が遅すぎた。フォアに振られているので、私ももっとフォアに振っていって、自分の得意なフォアハンドで勝負しないといけなかった」と振り返った。
2ゲーム目以降も早田はバック対バックの勝負を挑み、石川が回り込もうとするタイミングでフォアを突いたり、バックサイドを切る厳しいボールを送る。バックハンドの攻撃力にまさる早田は、徹底的にストロングポイントで勝負した。
早田がゲームカウント3ー0とリードした4ゲーム目、石川が思い切って早田のフォアを突き、6ー1とリードを奪ったが、試合の流れは変わらず。早田が逆転して10ー9でマッチポイントを握り、最後は石川の回り込み強打がネットにかかった。
惜しくもストレートでの敗戦となったが、コートを去る時には観客から石川へ、惜しみない拍手が送られた。今大会で最も多くの拍手が送られた選手は、間違いなく彼女だ。「久しぶりに有観客の全日本でプレーできてうれしかったし、たくさんの方が拍手や声援を送ってくださってありがたいという気持ちでプレーした。コロナ禍が収まってきて、有観客になるまで卓球を続けられて良かったなと思います」(石川)。
「全日本選手権というのは、出る選手は勝つための準備をして、全力で挑んでくる。そこで自分の力も知ることができる。13歳で初めてベスト4に入ったと思うんですけど、30歳を目前にまたベスト4に入れてうれしい。長く続けることで学んだこともあるし、連覇した後もトップレベルでやり続けられているのは改めてうれしいですね」(石川)
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