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全日本卓球2023

感涙のち、ひなスマイル。早田ひな、好調・木原美悠を下し3冠達成!

全日本卓球2023女子シングルス決勝、5年ぶりの決勝に進出して勢いに乗る木原美悠が2ゲームを先制するも、早田ひなが4ゲーム連続で奪い返し、3年ぶり2回目の優勝、そして今大会の3冠(女子シングルス、女子ダブルス、混合ダブルス)を達成した。

1ゲーム目、木原はサービスミスが2本あったものの、8-9から打ち合いなどで3連続得点でゲーム先制。2ゲーム目は早田がロングサービス中心の組み立てでリードするも、木原がラリーからの両ハンドの強打で得点、ジュースにもつれたが最後はサービスエースで2ゲーム先取。

そこまで木原の強打に押されていた早田だったが、3ゲーム目からはフォア側へのショートサービスを中心に、ラリーで繋いでから決める展開で優位に立ち、一気に3ゲーム連取で逆転。ミスをなくしつつ、随所で両ハンドのパワードライブを決めた。

6ゲーム目、木原が3-2から2本連取されたところでタイムアウト。その後木原はフォアストレートの強打や変化ブロックでの得点など冴えたプレーを見せたが、冷静にラリーを組み立てた早田が10-8とマッチポイント。木原は打ち合いで2本連取して10-10に持ち込んだが、早田がラリーで11-10、そして最後は木原のレシーブドライブがオーバーし、早田が激戦を制した。

優勝を決めると、渾身のガッツポーズから思わず涙ぐみ、そしてベンチの石田大輔コーチと笑顔でひじタッチを交わした早田。優勝インタビューの途中でも涙で言葉を詰まらせる場面があったが、皇后杯を授与されて大勢の報道陣からカメラの祝砲を浴びると、晴れやかなひなスマイルを見せた。

連日の会見で「試合に入ってからの調整」という言葉を度々口にしていた早田。完全に木原ペースで2ゲームを先制される苦しい立ち上がりだったが、3ゲーム目からメンタルを立て直し、戦術を切り替えて、形勢を逆転。3年前の初優勝時より心技体、様々な面での成長を示したシングルス優勝、そして3冠達成となった。

●女子シングルス決勝
早田ひな(日本生命) -9、-11、5、8、7、10 木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎)

 

●早田の優勝インタビュー
今日の試合は本当に木原選手が強くて、0-2になって負けを認めてから自分自身が強くなったので、苦しい試合だったけど、最後まで冷静に戦えたのが良かったと思います。
決勝に上がってくる選手というのはやはり勢いがあって、基本の対策やいつもの感じが参考にならないのが全日本の怖さだけど、その勢いを自分が鎮める能力があるのはわかっていたので、冷静に1本ずつ戦うことができた。
メンタル的には1回負けたと思い、そこから挑戦する気持ちで試合に入っていきました。
私自身、天才ではないので、本当にどの技術、メンタル、体のケア、すべての努力をしないと身につかないタイプなので、日頃からお父さんお母さんをはじめ(石田)大輔先生、チームひなの皆さんのおかげでここに来れたので、こういう形で恩返しができて良かったと思います。
自分自身が東京オリンピックが終わってパリオリンピックに向かって着実に力をつけるためにやってきたことが3冠に繋がっていると思いますし、一緒に戦ってくれている皆さんのおかげで優勝できたと思うので、全日本よりさらにうえの世界選手権や、中国選手にもっと勝てるようにがんばっていきたいと思います。
連日の沢山の応援どうも有り難うございました。皆さんの応援があって、選手は楽しみで仕方がなかった全日本だったと思うし、皆さんのおかげで3冠がとれたと思います。私も卓球界も応援をよろしくお願いします。

喜び、安堵、感謝など様々な思いが込み上げたか。力強く拳を握ると感涙の表情を見せた早田

●木原の記者会見
正直、うれしい半分、ちょっと悔しい半分という気持ちです。サービス、レシーブからの展開でチャンスを作ることができた。それからのラリーの中でも最後まで1本多く粘ったりできたので、最初の2ゲームは良い展開だったと思います。大きな舞台の大事な場面で、早田選手は相手よりもミスを少なくし、サービスも工夫してきて、そこにしっかり対応できなかった自分がいました(笑顔)。これからは自分の強みであるサービスからの3球目のパターン、レシーブの多彩さ、フォアハンドの強化もすごくしないといけないと感じました。
今後は選考会やTリーグもあるので、そこでもっと多く選考ポイントを稼げるよう、向上させられるところは向上させていき、もっともっと強くなりたい。やはり2024年のパリ五輪に出場してメダルを獲りたい。
(反転して裏ソフトでレシーブした?)しました。しっかり判断できた時はたまにやります。1試合に1〜2回くらい。レシーブですることが多いけど、次のボールが普段使ってる表ソフトと同じことをやって、すごくミスをしました(レシーブで反転してそのままラリー)。
今回は3種目出場し、シングルスだけ表彰台に立てて、少し悔しい部分もあるけど、シングルスが一番今後につながるし、すごく大事だと思う。今回2位になれて本当に良かったなと思います。決勝戦も最初からすごく良い内容だったと思い、自分の中では結構満足している試合です。
(4ゲーム目に6ー6から早田が2本連続でサービスエース)まったく覚えていないです(笑)。(ターニングポイントは?)早田選手がサービスやシーブ、長いラリーでも強いけど、そこで自分も少しでもついていけるようにできたことは良かった。前半2−0でリードできたので、早く決めたいという気持ちがプレーに出て、焦って打って自分がミスすることが大きいかなと思います。
1試合1試合、相手は違いますけど、そこで相手のビデオを見て対策をしたので、自分の思ったとおりのプレーが結構できていたと思います。決勝前の対策としては、最終的にはサービス・レシーブが大事になってくるので、そこでチャンスを作りたかった。後半は早田選手がそれにしっかり対応してきた。それに自分が対応できなかったというのもあります。

2度目の決勝で、臆することなく攻撃的なプレーを貫いた木原。初優勝はお預けとなったが、大きく成長したことを証明した

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