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全日本卓球2023

ジュニア男子1回戦、才気煥発・小林右京。大野斗真は初戦を突破!

●ジュニア男子1回戦
大野斗真(ABBEY) ー9、4、9、6 野中大地(専大北上高)
西澤海翔(上宮高) 11、6、8 大野颯真(木下グループ)
大西翔太郎(尽誠学園高) 8、ー7、7、6 木方瑛介(T.T彩たま)
丸川智弘(野田学園高) ー7、7、ー6、10、8 小林右京(ピンテック)

今大会、ジュニア男子には4人の小学5年生が出場。いずれも高校生の選手たちを相手に、大いに健闘を見せた。
4人の中でただひとり、初戦を突破したのは大野斗真。双子の弟・颯真とともに「頑張って1勝しよう」と大会に臨み、ジュニア初出場で初勝利を勝ち取った。「相手は高校生でボールに威力があるので、しっかり入れてゆっくりラリーをして得点することを意識していました。1回戦突破が目標で、今日勝てたのでこれから2回戦も頑張っていきたい」と試合後に語った。

ジュニア初出場で見事に初戦を突破した大野斗真

一方、双子の弟・颯真は惜しくも初戦敗退。「ミスをしたくないという気持ちから、自信をなくしてしまったところが良くなかった。思い切りの良さが足りなかった」と試合後に語った。2021・22年とすでにジュニアの部を2大会経験している颯真選手。全日本の舞台をよく知っているだけに、プレーが慎重になってしまった部分もあるのかもしれない。

また、T.T彩たまの木方瑛介は、ふたりの兄とともにジュニア初戦突破はならず。しかし、埼玉県のジュニア予選を突破したのは立派だ。

3年連続のジュニア出場となった大野颯真。初戦突破はならずも、「来年はジュニアでベスト8に入りたい」と前を向いた

そして大会1日目の最終試合で、その才能の片鱗を見せたのが、男子では大会最年少となる小林右京。卓球王国2022年7〜9月号では、母方の祖父で「マジックサービス」でおなじみの村瀬勇吉さんによるトップコーチ誌上講習会にも、技術モデルとして登場してもらった。

祖父仕込みのサービスは小学生とは思えない威力で、2ゲーム目の出足で下回転サービスで2本連続のネットミスを誘ったのには驚かされた。レシーブや3球目からストレートを積極的に突き、着実に得点を重ねる嗅覚。競った場面でもミスを恐れないハートの強さ。実業団選手として活躍した母・佳子さんが、某刑事ドラマの主人公のような洞察力や観察力を備えた選手に……と名付けたその名は「右京」。試合後のリモートインタビューでの受け答えも堂々としたものだった。

最後は野田学園高・丸川が冷静に小林のフォアサイドにボールを集め、逆転勝利を収めたが、小林のプレーは大会初日のハイライトのひとつ。「あっぱれ」と言いたくなる一戦だった。

フォアサービスの威力は小学生離れしていた小林右京

「小学生とは違って、1球の威力がすごくあるので、いかに自分から連続で攻められるかが勝利へのカギだと思っていた。全日本でも小学生以下の部とは違って、負けた時の悔しさも大きい。自分が(男子で)大会最年少だとわかっていたけど、それはあまり意識せず、プレッシャーもなく、ただ格上の相手に向かっていくだけだという気持ちでやりました。
次の目標はまず東アジアホープスの選考会を通過すること。将来的には、みんなから憧れられる選手になりたいです」(小林)

相手の動きを見切って放つ両ハンドドライブの威力も十分。来年はどこまで勝ち上がるか、楽しみだ

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