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全日本卓球2023

中学で卓球を始め、30歳で悲願の全日本初出場。原澤省吾が関東学生王者に挑む

●男子シングルス1回戦
原澤省吾(ONE OUTS) -6、-3、-6 阿部悠人(専修大)

卓球人の夢でもある全日本選手権。本戦に出場するためには各都道府県予選を抜けないといけないのだが、その難易度は極めて高い。そんな全日本予選をくぐり抜け、今年30歳を迎える原澤省吾(ONE OUTS)は初めて全日本の舞台に立った。

中学から卓球をはじめ、高校は群馬の名門・沼田高、大学は東京経済大学に進学。インターハイやインカレなどには出場するも、全日本には縁がなく、群馬県の予選を通過できないでいた。今回の全日本予選でも2回戦で朝日大の選手と対戦。「もうダメかなという気持ちでいた」と言う原澤だが、なんとか勝利すると、その勢いのまま予選を通過。初めての全日本出場を決めた。

悲願の全日本初出場を果たした原澤だが、現在は「1週間に2回練習できれば良いほう」だそうで、1回の練習時間も1時間半程度。少ない練習時間の中でも勝てるように、「粘り強い大人な卓球」を意識していると言う。

そんな原澤の記念すべき全日本初試合の相手となったのは関東学生王者の阿部悠人(専修大)。学生トップクラスの実力を誇る阿部を相手に、粘り強い「平成の卓球」を見せつけたかったと言う原澤だが、阿部の「令和の卓球」の前に完敗。それでも「楽しめた」と、初めての全日本を満喫したようだった。

「平成の卓球」らしく粘り強く戦った原澤

中学スタートでも、練習時間が少なくても、30歳でも全日本に出場できることを証明した原澤省吾。間違いなく、全国の卓球人に勇気と希望を与える存在だろう。

「(全日本を)楽しめました。帯同者としては何度か来たことがあるけど、選手としていざ試合をするとなると会場の雰囲気にのまれる感じがしました。来年も予選に出場して、なんとか通過したいと思います。(30代で全日本を目指す人に向けて)結果も必要になってきますが、楽しむことが一番大切かなと思います」(原澤)。

ベンチに入ったのは中学の先輩である本田さん(左)。「俺の方が楽しみにしてた」と、仕事を休んで原澤さんのベンチコーチを務めた

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