ダーバンのICC(国際展示場)で行われている今回の世界卓球。細長いフロアが仕切られ、両端に中国選手や注目選手が登場するテーブル1と、日本選手が登場するテーブル2が設置されている。どちらも三方を観客席に囲まれた劇場のような作りで、先ほど試合をした木原選手は「映画館みたい」と表現していた。
しかし、世界卓球はこの2コートのみにあらずテーブル1の隣に設置されたテーブル3・4、テーブル2の隣に設置されたテーブル5〜8でも熱戦が続々展開中。卓球王国がここを取り上げないでどうする、ということで、サブコートなどで展開された熱戦をピックアップしましょう。
●男子シングルス1回戦
ピスチェイ(スロバキア) −10、10、8、9、9 安宰賢(韓国)
19年世界卓球3位の安宰賢が、初戦で17年世界卓球ベスト16のピスチェイにまさかの苦杯。1ゲーム目を逆転で奪った安宰賢だが、ボールの横を鋭く斬りつけるようなピスチェイの中陣カウンターは強烈。フォアフリックなどの台上プレーもうまく、安宰賢は競り合いながらも最後までペースをつかめず。抜群のボールセンスとフットワークを生かした一発ドライブ、実力的には高いものを持っている安宰賢だが、勝負所で攻めの手が止まってしまうのはメンタルの問題なのか。
●男子シングルス1回戦
O.アサール(エジプト) −5、−10、7、−9、4、2、8 ミノ(エクアドル)
今シーズンのドイツ・ブンデスリーガ男子1部では、ベルクノイシュタットでチームメイト。ダブルスも組んだO.アサールとミノのラリー戦は迫力があった。筋骨隆々のミノは手の内を知り尽くしたO.アサールの粘りに動じず、打球点の高いバックドライブを叩きつける。O.アサールがいらだちを爆発させてイエローカードをもらうひと幕もあったが、逆にそれで落ち着いたか。どこからでも入る中陣両ハンドを連打し、アフリカの英雄が逆転勝利。
●女子シングルス1回戦
ルッツ(フランス) 7、4、6、7 オショナイケ(ナイジェリア)
こちらもアフリカ卓球界のレジェンド、49歳のオショナイケは59歳の倪夏蓮(ルクセンブルク)がいなければ、文句なしで大会最年長だったはずの選手。クロスに連打するフォアドライブは未だに迫力があるが、ルッツのカウンターと一発のパワードライブも強烈。49歳と20歳の年の差対決は、ストレートでルッツに軍配が上がった。
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