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世界卓球2023

混合ダブルス決勝。入念な対策を練り、完璧に遂行した中国ペアがストレートで勝利。張本/早田は肩を落とす

 

あっという間に終わってしまった。そう感じたのは、私たちよりもコートで戦っていた張本智和と早田ひなの2人ではないだろうか。

 

昨日の準決勝で中国の若手ペアの挑戦を力でねじ伏せ、2大会続けて混合ダブルス決勝に進んだ張本/早田。決勝は2年前の世界選手権ヒューストン大会と同じ顔合わせとなり、日本ペアにとっては王楚欽/孫穎莎(中国)へのリベンジの舞台が整った。

両ペアの最後の対戦は2カ月前に行われたWTTシンガポールスマッシュの決勝。3-1で中国ペアが勝利したが、日本ペアにチャンスはあった。

 

決勝が始まる。1ゲーム目、6-6まで点差が離れない。早田、孫穎莎とも男子選手のボールをものともせずにカウンターし、自らの強打で男子選手から得点を奪うなど、混合ダブルスとは思えない迫力あるラリー戦になる。6オールから中国が4連続得点でゲームポイントを取り、そのままゲームを先取すると、以降は一方的な展開になってしまう。

 

見よ、この迫力&躍動感のある孫穎莎のスイングを

 

2ゲーム目、日本ペアは良いドライブを打っているが、中国ペアはコースを読んでカウンターを浴びせる。中国ペアが6-0と大きくリードすると、強打を打ちまくり手がつけられない状態になった。

 

3ゲーム目は、3-3から中国ペアが5連続ポイントで8-3と離す。日本ペアが2得点で8-5になったところで中国ベンチがタイムアウト。中国はいつもタイムアウトを取るタイミングが早いが、ここで取るとは思わなかった。3-0で仕留めるためだからだろう。タイムアウト後に連続得点で中国が10-5とマッチポイントを握ると、最後は11-5。王楚欽/孫穎莎が混合ダブルス2連覇を達成した。

 

男子ダブルスを見ているかのような、迫力ある打ち合いになった

 

中国ペアは早田への巻き込みサービス、レシーブでは中途半端なチキータでは日本ペアに狙われることがわかっているため、チキータならば一撃、それ以外はストップで日本ペアの強打を封じた。そして、台上からは張本へのミドルを突くなど、張本/早田の対策を徹底していた。

 

王楚欽/孫穎莎の力が張本/早田を上回っていることは、これまでの対戦成績からも瞭然。だがこの決勝のスコアほどの力の差はない。事前の対策もお互いに入念に練っているはずだが、対策面で中国が上回っていたことと、それを完璧に遂行できる技術力の差が出た。

 日本ペアとしては、なんとしてでも1ゲーム目を取って中国ペアにプレッシャーからの焦りを引き出したかったが、6オールからの連続得点されたのが痛かった。

張本、早田ともこのあとにシングルスがある。対戦相手はともに中国選手。この敗戦を引きずるような2人ではない。2大会続けての銀メダル獲得に自信を持って、メダル決定戦になるシングルス準々決勝に臨んでほしい。

 

悔しい結果になったが決勝までしっかり勝ち上がったのは力がある証だ

 

●混合ダブルス決勝
王楚欽/孫穎莎(中国) 3(6、2、7)0 張本智和/早田ひな(日本)

 

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