男子ダブルス準々決勝で実現した中国の同士打ち。樊振東/王楚欽(中国)に挑んだのは、年の差10歳のリンリン(林林)ペア。28歳の林高遠と18歳の林詩棟(中国)だ。
戦前の予想では実力、経験とも勝る樊振東/王楚欽が優位と見ていた。実際、1ゲーム目はリンリンペアの動きに硬さが見られ、攻め込まれるシーンが多かった。4人の中で世界選手権初出場の林詩棟にややミスが目立ったが、ラリーでは大きく見劣ることはなかった。プレースタイルと体格が似ていることから「樊振東2世」と評されることもある林詩棟は、パワーという面ではまだ先輩たちに及ばないが、樊振東にはない「スイングの柔らかさ」があり、逸材であることをこのダブルスで再確認した。
チキータで攻めて、それをカウンターで狙い、そのカウンターを倍返しのカウンターで決める。同士打ちということで中国選手独特の球質にお互いが慣れているとはいえ、両ペアとも次元の違うプレーを見せる。2ゲーム目をリンリンペアが奪い返したが、3ゲームはリンリンペアが3度のゲームポイントを生かせずに落とすと、樊振東/王楚欽が僅差で振り切った。
10歳差のペアで、即席に近い形での出場になった林高遠/林詩棟ペアの試合をもって見てみたいという思いになったが、ビッグゲームでこの2人が組むのは今大会が最初で最後になるだろう。逆に言えば、林詩棟が王楚欽の相棒に抜擢され、世界選手権の舞台に登場するのはそう遠くないだろう。果たしてどれだけ強いペアになるのか……。
韓国の2ペアはともにベスト4入りし、伝統的に続く韓国男子のダブルスでの強さを見せつけた。32歳の李尚洙は、2015年世界選手権蘇州大会で左利きの徐賢徳と組んで銅メダルを獲得し、2017年デュッセルドルフ大会では右利きの鄭栄植と銅メダル、そして今大会で左利きの趙大成とのペアでメダルを確定。準決勝の壁を破ることができるか。
●男子ダブルス準々決勝
樊振東/王楚欽(中国) 3(8、-8、11、9)1 林高遠/林詩棟(中国)
李尚洙/趙大成(韓国) 3(8、6、−8、9)0 K.カールソン/ファルク(スウェーデン)
オフチャロフ/フランチスカ(ドイツ) 3(−7、9、8、7) ピッチフォード/ドリンコール(イングランド)
張禹珍/林鐘勲(韓国) 3(4、10、7)0 エチェキ/スーディ(ハンガリー)
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