卓球王国 2024年12月20日 発売
バックナンバー 定期購読のお申し込み
世界卓球2023

中国の壁、高く。宇田幸矢、王楚欽に善戦するも及ばず。伊藤美誠はポータに勝利し4回戦へ

●男子シングルス3回戦 

王楚欽(中国) 9、11、-4、1、3 宇田幸矢

篠塚大登の欠場による代替出場であるために、男子シングルスで好成績を上げてもパリ五輪の選考ポイントはつかないが、「世界卓球という大舞台はそれ以上の価値がある。出られることだけでも貴重だし、自分に期待して頑張りたい」と意気込んでいた宇田幸矢は、昨日戸上隼輔に快勝した王楚欽(中国)と対戦。序盤からアグレッシブに攻めた宇田だったが、後半で失速。ミドルから両サイドへの厳しいコース取りに、ベストな体勢での一撃が打てず、1-4で敗れた。

1ゲーム目、積極的にフォアハンドで攻めた宇田が6-1リードと好調な立ち上がりを見せたが、徐々に対応した王楚欽が逆転でゲームを奪う。2ゲーム目も抜きつ抜かれつの展開でジュースまでもつれたが、最後はラリーでわずかに上回った王楚欽がゲームを連取。

3ゲーム目は、ロングサービスで王楚欽のチキータを封じ、なんとか1ゲームを奪うも、4ゲーム目以降はミドルから両サイドへの厳しいコース取りに足が止まり、得意のフォアドライブが封じられ、最終ゲームも、バッククロスの打ち合いで押される展開が多く、3回戦で敗退となった。

要所で確実に得点を重ねた王楚欽

序盤からアグレッシブに攻めた宇田

●試合後の宇田のコメント

1ゲーム目は、6-1でリードしたけど初対戦だったのでお互い探り探りで試合をしていて、後半は競ると思っていました。1ゲーム目を取れたら良かったけど、どちらかというと2ゲーム目を取りたかった。バック対バックのラリーは思っていたより戦えたけど、フォアに回された時のボールが取れなかった。そこの差が出たのかなと。

4ゲーム目から相手はバック対バックにさせないようにミドルを突いたりフォアを突いたりしてきて、そこに対して自分がもう少し対応したり、良いボールを打てるようにしていかないといけないと感じました。4ゲーム目は出足からミドルを突かれて、ぼくが崩れてしまい、やることが曖昧になってしまった。5ゲーム目も悪くはなかったけど、3-1になって相手にも余裕が出てきて思い切ってフォアにチキータしてきたり、プレー自体が一段上がった気がした。

手応えは感じましたけど、相手は1球1球の質が高い。ぼくが先に上から攻めないとラリーで主導権を取れないし、狙われてしまう。相手は特に無理をしているわけではないけど、普通の質が高い。カウンターだったり、先にこちらから仕掛けないと厳しい展開になってしまうので、その練習はこれからやっていきたい。

中国選手は質が落ちない。競った場面でもずっと同じ質でボールを打ってくるし、崩れない。競っていても守る時はきっちりストップしてくるし、チキータでも回転、スピードがあるボールを打ってくる。競ったら行けそうだけど、そこでの1点が遠い。

選考ポイントのことは気にしていなくて、こういう大きな大会に出て、自分のプレーを発揮することが今後の成長につながると思っている。1回戦も緊張した中で勝ち切って、王楚欽と戦えたことが今後につながると思うので、良かったかなと思う。最後の試合も良いプレーもあったし、思ったより自分自身でやれたと感じる部分もあったので、そこは成長できたかなと思います。

また、宇田はこの後日本時間22時40分より行われる男子ダブルス3回戦に挑む。ダブルスでの活躍に期待したい。

●男子ダブルス3回戦(ベスト8決定戦)

15:40~(日本時間22:40)

宇田幸矢/戸上隼輔 vs. オフチャロフ/フランチスカ(ドイツ)

 

一方、昨日会心のプレーを見せた伊藤美誠は、女子シングルス3回戦でポータ(ハンガリー)に勝利し、女子シングルス4回戦に進出。「おもしろいボールもいっぱいあった」と本人も振り返るように、独特なタイミングのボールに打ち急ぐ場面も見られたが、ゲーム終盤できっちり得点を重ね、ストレートで勝利を収めた。

伊藤は4回戦で、バトラ(インド)をフルゲームで退け波に乗るA.ディアス(プエルトリコ)と対戦する。

●女子シングルス3回戦

伊藤美誠 7、7、7、8 ポータ(ハンガリー)

コートを広く使った鋭いコース取りが光った伊藤

バックサービスからのバックハンド攻撃で伊藤のミスを誘ったポータ

関連する記事