あと2日で火蓋が切られる「2023年 世界卓球選手権(個人戦)」。男女シングルス32シードのドロー、続いて128選手の全ドローが決定した。
男子は出場5選手のうち、世界ランキング上位の張本智和と宇田幸矢が32シード。第4シードの張本(上写真)は、まずはベテランの荘智淵(チャイニーズタイペイ)の山、勝てばアルナ(ナイジェリア)とゴーズィ(フランス)の山の勝者、そしてメダル決定となる準々決勝では梁靖崑(中国)のブロックの勝者と対決となる。
世界上位の層が厚い男子。張本との対戦が予想される選手も、もちろん楽な相手ではないが、勝ち上がれる可能性は十分に高いと言えよう。梁靖崑側にはヨルジッチ(スロベニア)やA.ルブラン(フランス)等もおり、もしヨルジッチとの対戦となれば、東京五輪シングルスのリベンジ戦にもなる。悲願のシングルスのメダル獲得を決めて勢いに乗れば、樊振東・王楚欽・馬龍という中国の三強、あるいはモーレゴード(スウェーデン)らのトップランカーを倒して頂点を狙えるだけの自力を、張本は持っている。
篠塚の欠場でシングルス出場のチャンスが巡ってきた宇田は、王楚欽の山。国内外ともに強さを見せ、金メダル候補にも挙がっている王楚欽だが、爆発力のある宇田のスパークを期待したい。戸上隼輔・及川瑞基・吉村真晴の3選手は32シードの下に入ることになる。
[追記]32シード決定の後、全128選手のドローも決定した。及川は2回戦で宇田と当たる山、そして戸上は2回戦で王楚欽と当たる山。王楚欽のブロックに宇田・及川・戸上が固まるという熾烈なドローとなった。また吉村は梁靖崑と2回戦で当たる山に入り、勝ち上がっていけば張本との準々決勝の可能性がある。
また男子で注目されるのは、樊振東とモーレゴードがともに勝ち上がると準々決勝での対戦となる点。21年ヒューストン大会で電撃的に決勝進出を果たしたモーレゴードが、前回決勝のリベンジを果たすのか。あるいは優勝候補筆頭の樊振東が矜持を見せるか。3月のシンガポールスマッシュでは激闘を繰り広げた二人が、今大会も熱い戦いを見せるかもしれない。
一方、日本女子は5選手とも32シード。伊藤美誠は勝ち上がれば、準々決勝で陳夢(中国)と木原美悠のいるブロックの勝者と対決。準決勝では王曼昱と陳幸同(ともに中国)のブロックの勝者との対決だ。また早田ひなと長崎美柚が勝ち上がると16決定での対決、同様に平野美宇と王芸迪は8決定での対決。早田・長崎の勝者が8決定を勝ち上がれば、平野美宇と王芸迪の勝者との準々決勝となる。日本勢3名が第2ブロックに固まった形だ。中国の5選手は強く、メダルへの道のりは容易ではないが、逆に中国以外の他国を引き離す選手層を持つ日本女子。「打倒中国」を、ぜひ今大会実現してほしい。
男子日本代表
張本智和(智和企画)、宇田幸矢(明治大)、戸上隼輔(明治大)、及川瑞基(木下グループ)、吉村真晴(TEAM MAHARU)
女子日本代表
伊藤美誠(スターツ)、早田ひな(日本生命)、木原美悠(木下グループ)、平野美宇(木下グループ)、長﨑美柚(木下グループ)
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