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世界卓球2023

短く止められず、強振もできず。中国伝統の「高速ナックルサービス」は健在だ

今日、5月23日の午前中に行われた男子シングルス2回戦、戸上隼輔対王楚欽戦。1ゲーム目から王楚欽のサービスが戸上を大いに苦しめた。下回転サービスとナックルサービスが、同じように低い弾道で、速くすべるように飛んでくる。さらにショート、ハーフロング、ロングという長短の変化、フォア前やバック深くなどのコースの変化もある。

戸上戦で猛威を振るった王楚欽のフォアサービス

特に厄介なのはナックルサービス。中国選手のナックルサービスについて、「他の外国選手とは違う」と戸上は言う。「体をうまく使って、スピードのあるナックルサービスを出してきますね。ストップするともちろん浮きますし、ボールにスピードがあるぶん、チキータもしっかり回転をかけないと台にうまく収まらない」(戸上)。

低く速い下回転とナックルの縦回転の変化サービスは、ペン表速攻型が主力だった時代から多くの中国選手が使ってきた。現在、フォア面に使用する粘着性ラバーもトップシート、スポンジともに硬く、ナックルが出しやすい。「ポコン、ポコン」とゆっくり飛んでくれば対応しやすいが、ボールの底を切るのではなく、ボールの後ろを強くインパクトするためにスピードがあり、回転を判断する時間がない。

ボールの底を切って出すのではなく、ボールの後ろをとらえて速いサービスを出す

1・2ゲーム目、戸上は王楚欽のナックルサービスに対し、チキータのオーバーミスが多かった。そして中盤以降は、確実に入れにいったチキータを狙われた。「中国選手のサービスは、中国選手と試合をやって慣れていくしかないですね。試合の中でレシーブの感覚をつかむしかない」と戸上は語る。

今日午後に同じテーブル2で行われた陳幸同(中国)と李ジオン(韓国)の一戦でも、陳幸同は勝負所で低く速いナックルサービスを出し、李ジオンに持ち上げさせてカウンターで狙い打っていた。

両ハンドのカウンターを武器とする陳幸同も、シンプルながら巧みなサービスを使う

強振すればオーバーミスになり、入れにいけば狙い打たれる。ラリー戦ではボールの弧線を追求し、徹底してミスを排除する中国が、サービスで活用するナックルの秘術。チキータの嵐が過ぎ去った後で、再び輝きを増す中国の「伝統芸」だ。

担当選手の陳夢にサービスを出していた馬琳。この人のサービスも低くて速かった

馬琳先生、まだスイングスピードはめっちゃ速いようです。懐かしい!

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