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世界卓球2023

「何もできずに終わってしまったなという印象」戸上隼輔、王楚欽に完敗。早田ひなはピッコリンに快勝で3回戦へ

男子シングルス2回戦
王楚欽(中国) 3、3、3、-6、6 戸上隼輔

男子シングルス2回戦、戸上隼輔は21年世界選手権ヒューストン大会の3回戦、そして昨年(22年)の世界選手権成都大会(団体戦)準決勝の5番で悔しい敗戦を喫している王楚欽(中国)と対戦。ここで雪辱を果たしたい戸上だったが、出足から王楚欽のサービスに手を焼き、ラリー戦でもなかなか優位に立てず、4-1で敗れ2回戦敗退となった。

「相手のサービスに対して苦戦してしまった」と本人が語るように、レシーブでのあまさが目立ち、優位な展開に持ち込めず一気に3ゲームを奪われる苦しい立ち上がり。4ゲーム目は、王楚欽の3球目攻撃に手が止まる場面もあったが、終盤で粘り強さを見せた戸上が1ゲームを奪い返す。

ここで流れを変えたい戸上だったが、5ゲーム目は出足のサービスミスが痛手となったか、ラリーで必死に食らいつくも、王楚欽の中・後陣から放たれる威力あるドライブに圧倒され、1ゲームを奪うにとどまった。

ラリー戦でも押される展開が多かった戸上

戸上のチキータレシーブを「待ってました」とでも言うように、フルスイングでカウンターするなど、高い攻撃力を見せた王楚欽

 

●試合後の戸上コメント

相手のサービスに対して苦戦してしまって、1ゲーム目から最後の5ゲーム目まで何もできずに終わってしまったなという印象です。台をうまく使ってきて、止まる台なので、ネット際に出してきたり、ハーフロングでわざと少し台から出してきたり、下回転とナックルを同じフォームで、同じ弾道で出してきた。本当にそれがわかりにくくて、サービスのスキルの高さを痛感しました。

成都大会でもレシーブミスが非常に多かったけど、それほどレシーブがうまくいかないという印象はなかった。今回はボールの奥行きをうまく使ってきて、ぼくがチキータしかできないところまで追い込んできた。本当に何もできなかったなと。チキータもコースを絞られる展開が多くて、それを狙われるプレッシャーもあり、チキータも思い切っていけなかった。レシーブがまだまだだなと思いました。

4ゲーム目に関しては粘り強く、我慢強く戦った結果として取り返すことができた。あのゲームはレシーブミスも少なくて、思い切ってやるしかないなという感じでしたけど、5ゲーム目はバックストレートのロングサービスをうまく使ってきたりと、また何もすることができなかった。

ヒューストン大会で王楚欽と対戦した時は、まだ何もわからない状態で、勢いだけで卓球をしていた。それが通用してラリー戦まで持ち込む展開も多かったけど、今回は頭を使いすぎて空回りしてしまったな、という印象です。試合前の戦術としては、サービスを散らしつつ、相手のミドルをうまく突きたかったけど、そこまでいかなかった。

最後はバックストレートのロングサービスをうまく混ぜられたけど、4ゲーム目のように、たとえばフォア前に絞っていければ突破口は見えた。1~3ゲーム目よりは良かったという印象がありました。王楚欽は体も大きくなっているし、成長のスピードは本当に早いなと思います。

自分の中では1~2ゲーム目をどちらか取って、こちらもアグレッシブにいける展開になると思っていたけど、それ以上に相手も思い切りの良さと冷静さがあった。こちらは打撃戦という意識でしたけど、そこにいくまでのミスが非常に多かった。あと残るのは男子ダブルスだけなので、そこでメダルを目指して、ダブルスで中国選手にリベンジするというように気持ちを切り替えるしかない。

悔しさを滲ませる戸上。ダブルスでのメダル獲得に期待したい

 

また、同時に行われた女子シングルス2回戦には、3種目にエントリーしている早田ひなが登場。バックハンドを得意とするイタリアのピッコリンと対戦し、徐々に調子を上げ4-0で快勝。4ゲーム目は、後半ピッコリンに追い上げられるも、冷静だった早田が無理のないプレーでゲームをものにした。

女子シングルス2回戦

早田ひな 7、4、2、8 ピッコリン(イタリア)

独特なタイミングのボールにもしっかり対応。全日本女王の実力を見せた

パワフルな一撃はないものの、丁寧なプレーを見せたピッコリン

 

 

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