●男子シングルス1回戦
コズル(スロベニア) −10、9、6、5、−9、−4、2 及川瑞基
宇田幸矢 −9、7、9、−9、10、−8、4 ブルゴス(チリ)
大会2日目、5月21日夜に行われた男子シングルス1回戦。テーブル2に登場した及川瑞基は、同じ1997年生まれのコズルにゲームオールで惜敗。無念の初戦敗退となった。
続いてテーブル2に出場した宇田は、ブルゴスの打球点の高い両ハンドカウンターに最後まで苦しみながらも、ゲームオールで辛くも勝利。及川と宇田は1回戦を勝ち進むと、2回戦で当たる組み合わせだったが、宇田は2回戦でコズルと対戦する。
及川はドイツ・ブンデスリーガでプレーしていた時、コズルとは2度対戦していずれも勝っているという。しかし、今日のコズルは好調。及川得意のバックストレートへのバックハンドでフォアに飛ばしても、大きく飛びついて逆にクロスに引き返す。逆にコズルに威力あるバックドライブでフォアを攻められると、及川はなかなか有利な展開に持ち込めない。
ゲームカウント1−3と追い詰められたところから、YGサービスや巻き込みサービスなどの「逆横系」サービスを使い、最終ゲームまで持ち込んだ及川はさすがだった。しかし、この7ゲーム目の勝負所でコズルのサービスから2本連取されると、一気にリードを広げられて万事休す。
「終盤で勝ちを意識してしまって、全体的なプレーの質が落ちてしまった。相手がよく見えるのが自分の長所だし、今日も見えていたけれど、久しぶりのヨーロッパ選手との対戦で『これは抜けただろう』というボールでも鋭角に返ってきたりした。
ぼくはアジアの選手の中でも小柄なので、もっとスピードや俊敏性を高めて、武器にしていかないといけない。昨年、世界卓球の団体戦は経験できたけれど、個人戦では力を出せた感じがない。またリベンジしたいです」(及川)
一方、宇田も実に苦しい一戦だった。カウンターを得意とするハードパンチャーが多い南米勢との対戦。ブルゴスの高い打球点から叩きつける両ハンドカウンターは鋭く、非常に早い打球点でビタッと止めるバックストップも厄介だった。中盤以降はどのゲームも宇田が先行しながら追いつかれたり、逆転される苦しい展開が続いた。
「相手の打球点の早いストップは取りにくかった。試合の後半は1球1球、サービスをしっかり考えながら出しました。今日は自分の武器であるチキータが、相手に狙われるようなボールになってしまったのが反省点ですが、相手のサービスに対して最低限バランス良く、チキータとストップを混ぜられたかなと思います」(宇田)
腰の故障で大会を欠場する篠塚に代わり、本来のエントリーである男子ダブルスに加え、男子シングルスと混合ダブルスの3種目エントリーとなった宇田。男子シングルスで好成績を上げても、代替出場であるためにパリ五輪の選考ポイントはつかないが、「選考ポイントはもちろん大事ですけど、世界卓球という大舞台はそれ以上の価値がある。出られることだけでも貴重だし、自分に期待して頑張りたい」と語った。
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