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世界卓球2023

アグレッシブはりひな、決勝進出! 中国10代ペアを力でねじ伏せる完勝劇

ここ1年のWTT9大会中7大会に優勝と圧倒的強さを見せる、中国次世代の混合エースペア林詩棟/蒯曼(中国)に対し、「はりひな」こと張本智和/早田ひなが地力で上回る戦いぶりを見せ、世界卓球混合ダブルスで見事決勝進出を果たした。

1ゲームは出足から早田のサービスから張本のバック強打を決める良いスタート。3-3から4本連取で7-3,しかしそこから中国ペアが8本連取で先制を許した。しかし第2ゲームはサービスからの展開が冴えて日本が取り返す。第3ゲームは第1ゲームと同様の早田のサービスと張本のチキータで得点を重ねる良い立ち上がり。ビハインドで思い切りの良い中国ペアは、蒯曼のチキータや、「樊振東2世」と言われる林詩棟の強烈なバックドライブなどで仕掛けて追い上げる。8-5から8-7と追い上げられたところで日本がタイムアウト。次の1本を張本がフォアで打ち抜き、11-7で逃げ切る。第4ゲームはアグレッシブに攻めた日本ペアが4-1とリードして、中国がタイムアウト。そこから日本ペアは攻撃の手を緩めず、張本、早田ともに圧巻のドライブを叩き込み、一気に勝負を決めた。

18歳、19歳の若手とは言え、既に国際大会で大きな実績を残す中国ペアに対し、地力で上回り、圧巻の強さを見せた張本/早田。明日の決勝の相手は、王楚欽/孫穎莎(中国)と黄鎮廷/杜凱琹(香港)の勝者。本命は第1シードの中国ペアだが、張本と早田、両方の状態が良く、攻撃的プレーができているだけに、金メダル獲得に期待せざるを得ない。

混合ダブルス準決勝
張本智和/早田ひな 3(-7、6、7、6)1 林詩棟/蒯曼(中国)

張本はチキータやラリー中のバックハンドはもとより、フォアドライブも走った。早田もサービスやカウンターが効き、中国ペアを実力で下した

中陣から強烈なバックドライブを放った林詩棟。蒯曼もラリーでの安定感や、技術の幅が素晴らしかった。次世代の中国を担っていくことは間違いない

試合後コートインタビュー
張本「ペアを組んだ時から早田さんが戦術や試合の流れをコントロールしてくれている」
早田「(決勝について)前回対戦したのはシンガポールで、自分たちもチャンスがあると感じたので、最後まで積極的に強い気持ちで決勝も頑張りたい」

張本インタビューコメント
「目標として最低限決勝と言っていたが、負けてもおかしくない苦しい試合を勝てて良かった。本当に2ゲーム目から早田選手のカウンターが決まって、ぼくもそれに乗っかって良いプレーができたので感謝したい。決勝の相手はまだ決まっていないけど、中国選手なら最高の舞台でリベンジしたい。シングルスはベスト8まで来て、メダルをとるには中国選手を倒さないといけない。対戦成績は良くない相手だけど、頑張りたい」

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